NHKの報道によると、『今回の土石流について、静岡県が土石流の上流側を調査した結果、伊豆山地区の中心部から1キロほどの山の中で開発のために土が盛られていた一帯を含む斜面が大きく崩れていたことがわかりました。県では崩れた土砂の全体の量は盛り土も含めて10万立方メートルにのぼる可能性があるとしていて、今後、専門家とともに崩落の原因を詳しく調べる方針です。』とのこと。
そもそも、この膨大な盛り土は、いったいどこから運んだ土なのか?汚染土壌ではないか?
7・3熱海土石流事件は、政府・国土交通省と静岡県と熱海市が、日本国憲法に基づいてやるべきことをやらず、決してやってはならないことをやったために甚大な被害が発生・拡大した人災の可能性が極めて高い。
政府 人間の安全保障
国連安保理決議1325号国内行動計画の具体化と実施
国土交通省 治山治水・土石流対策
気象庁 気象情報
環境省 気候変動対策
経済産業 メガソーラー
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2021年7月4日 19時32分
静岡 熱海の土石流 上流側の開発現場 盛り土含む斜面が崩落
今回の土石流について、静岡県が土石流の上流側を調査した結果、伊豆山地区の中心部から1キロほどの山の中で開発のために土が盛られていた一帯を含む斜面が大きく崩れていたことがわかりました。
県では崩れた土砂の全体の量は盛り土も含めて10万立方メートルにのぼる可能性があるとしていて、今後、専門家とともに崩落の原因を詳しく調べる方針です。
静岡県は4日午後、県庁で対策本部会議を開き、このなかで今回の土石流についての初期の調査結果を明らかにしました。
調査では土石流が流れ下った逢初川の上流方向でドローンを飛行させ映像を撮影した結果、伊豆山地区にある伊豆山小学校から北西に1キロほど離れた山の斜面が幅およそ100メートルにわたって大きく崩れていることがわかったということです。
県によりますと、崩れた斜面には開発のために山の谷間に土を盛ってできた一帯が含まれ、開発前の2010年ごろと、開発後の2020年の現場周辺の地形のデータ、それに現在の斜面を比較した結果、盛り土の大部分が崩れた可能性があるということです。
またこの分析から崩落した盛り土の量は少なくとも5万立方メートルに上り、これを含めて崩れた土砂の全体の量は10万立方メートルにのぼる可能性があるとしています。
一方、崩落現場の南西にはメガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光の発電設備が作られていますが、今回の調査ではこの周辺では斜面の崩落は確認されなかったということです。
これについて全国知事会のあと取材に応じた静岡県の川勝知事は「盛り土のところから崩落が起こったという一時的な報告が来ている」と述べ、開発現場付近で土砂が崩れ始めた可能性があるという見方を明らかにしました。
そのうえで「近くにはメガソーラーもあるが、直接の関係はいまのところみられないと聞いている。しかし上流で開発行為がなされているのは事実であり、調整ができしだい私自身も現地に赴いて専門家とともに現場を見て何が原因だったのか判断をしたい」と述べ、今後専門家とともに崩落の原因を詳しく調べる方針を示しました。
県では現場の周辺に職員を派遣し、崩落して露出した部分から流れ出る水の量が増えたり斜面がさらに崩落したりする兆候がないか、監視を継続するとしています。
上空からの現場の様子は
静岡県が3日夕方に土石流が発生したとみられる上流付近をドローンで撮影した映像では、山肌が細長く崩落している様子がわかります。
山の斜面は深くえぐられて内部の土砂が露出し、水が流れ出しているところもあります。
また周辺の木々を巻き込んで崩れている様子も見てとれます。
専門家「谷のいちばん上のあたりで崩壊始まったか」
静岡県が土石流が発生したとみられる上流付近をドローンで撮影した映像について、この映像を土砂災害のメカニズムに詳しい政策研究大学院大学の小山内信智教授に分析してもらいました。
それによりますと茶色の部分は主に土、灰色の部分が主に岩で地下水の通り道とみられる跡が幾筋も確認できるということです。
小山内教授は「映像を見る限り、谷のいちばん上のあたりで、崩壊が始まったとみられる。ほかと比べて茶色くなっていてところは地下水を多く含む土壌でもともと水を多く含む崩れやすい場所だったとみられる。そこに今回、大量の雨が降ったことで規模の大きな崩壊の発生につながったのではないか」と指摘しました。
また「下流部では表層の土がより深く削り取られて、土の下にあった岩がむき出しになっているのが確認できる。これは表層の土砂と樹木を根こそぎ削り取りながら流れ下ったためだと考えられ、最初に規模の大きな崩壊が発生した後、土砂と樹木を削り取っていくうちに土石流のボリュームそのものが増大し、被害の拡大につながったと考えられる」と指摘しました。
小山内教授は、同じような地形と地質は全国どこにでもあり、注意が必要だとしています。
静岡県熱海市の伊豆山地区で発生した土石流で、現地では4日も小規模な土砂崩れが起きて救助活動は時折、中断しながら進められました。熱海市では4日新たに13人を救助した一方、安否が不明な人を正確に把握するのは難しいとして、住民基本台帳の登録をもとに確認を急ぐことにしています。
静岡県によりますと、3日午前10時半ごろ熱海市伊豆山地区で発生した土石流は逢初川沿いに海までおよそ2キロにわたって流れ出たとみられ、少なくともおよそ130棟の建物が被害を受け、これまでに女性2人の死亡が確認されました。
現地では4日早朝から警察や消防、自衛隊などが1000人態勢で救助や捜索活動を始めましたが、熱海市内では断続的に弱い雨が降り、上流で小規模な土砂崩れも起きたため、活動は時折、中断しながら進められました。
熱海市や県によりますと4日新たに13人が救助され、このうち女性1人はけがの程度が重いということです。
この結果、救助された人は3日と合わせて23人となりました。
一方、熱海市は安否不明者の人数についてこれまでおよそ20人とみられるとしてきましたが、斉藤栄市長は4日夜の記者会見で初期の段階で市に寄せられた情報に基づく人数だとしたうえで、「正確な人数の把握が難しく、予断を持って答えることができない」と述べました。
市では住民基本台帳をもとに調査を進めることとし、伊豆山地区で被害を受けた地域に登録のある215人のうちこれまでに68人の無事を確認できたということです。
そして残る147人の確認を急いでいるということですが、すでに転居していたり、災害後に親せきの家に避難したりしている人もいると考えられるということで、斉藤市長は「すべてが安否不明者ではなく、確認には時間がかかる」としています。
伊豆山地区の国道捜索 土砂に埋もれた車も
土石流が起きた静岡県熱海市の伊豆山地区の国道135号線では、4日朝から警察や自衛隊が行方がわからない人たちの捜索を行いました。
泥の中から土砂やがれきを取り除く作業を進めていて、中には住宅の一部とみられる建材や土砂に埋もれた車も見つかっています。
現場では今も断続的に雨が降り続いていて、午前10時前には、土砂災害の危険が高まっているとして、作業の中断を余儀なくされました。
住民「土石流は複数回発生」
土石流の発生当時、伊豆山地区にいたという住民は土石流は3日午前10時半ごろから11時にかけて複数回、断続的に起きたと話しています。
避難所に避難してきた56歳の男性は「ドーンという大きな音と振動があり、玄関先に出てみると、土砂が流れてきていた。その後も2、3回、ドーンという音が聞こえた。母と2人で自宅にいて、自分は避難してきたが、母とは連絡が取れていない」と話していました。
また64歳の男性は「1回目は音が聞こえず、2回目がばりばり、ぶしゃぶしゃという音がして土砂が流れていた。その後、10分近くたってから3回目が発生した。真っ茶色の土砂が流れていてものすごいスピードだった。電柱も揺れていた」と話していました。
土石流目撃の男性「『ドーン』と大きな音が」
30メートルほど離れた場所から土石流を目撃したという72歳の男性は「3日午前10時半ごろ、風呂に入っていたときに大きな音が聞こえた。外に出たら、ダンプカーがひっくり返っているのが見えた。その直後、地鳴りとともに、『ドーン』と大きな音がして、近くの小さな川の上流から見たこともない量の土砂が流れ落ちてきた。大きな音は4回、連続して聞こえ、聞こえるたびに新たに土砂が流れてきて、たまった土砂にぶつかり、波のようにはねていた。あっけにとられ、着の身着のまま逃げてきた」と話していました。
熱海市長「避難所対応 救助活動支援などに全力を」
熱海市は4日午前7時から伊豆山地区で発生した土石流の対策を協議する会議を開きました。
このなかで斉藤栄市長は「2次災害を防がなければいけないが、72時間が人命救助のいちばん大事な時間となる。情報収集や避難所の対応など救助活動を支援するために持ち場の仕事に全力をあげてください」と述べました。
市によりますと逢初川の上流の家屋が大きな被害を受けている可能性があるとして、上流周辺の地域により多くの人員を投入して救助活動を行うとしています。
また現地では断続的に雨が降っていて、2次被害を防ぐために静岡県の土木事務所が土砂の状況を確認し、異常があった場合には緊急速報用のメールで知らせる態勢をとっているということです。
市では安否の確認も進めていて、避難所で作成した住民の名簿と連絡のつかない人を照合する作業も急いでいます。
市では15の避難所を開設しており、4日午前6時時点で合わせて387人が避難しているということです。