K です。

 

昨日、標記の全国集会がありました。コロナ禍の中で、会場とZOOM参加で127人もの方が参加されました。

少しエキスだけでも報告します。

 

開会あいさつでは、2005年の「つくる会」教科書の採択状況(当時はわずかだった)まで押し戻した今年の全国の闘いを評価され、一方で、日本教育再生機構の大阪における解散式の実施など育鵬社側の衰退も報告された。そして、最終の勝利まで、大きな視野で改憲勢力を根絶やしにするよう闘っていこうと提起されました。

 

次に、大阪で教科書採択における学校調査報告において、以前は教科書内容の特長のみ書かれていたものが、長所と短所を書かせるよう要求し、育鵬社は短所が明らかに多く指摘される調査報告書に変わったことも育鵬社激減につながったとの報告がありました。そして、育鵬社の写真無断掲載問題は、掲載された当事者とつながれたことにより問題が発覚したとのことでした。

次に、育鵬社を激減させたこととは別に、重視すべきこととして、公民教科書が経済をどのように記述しているかという問題の提起がありました。

 

それは、「労働者の権利」の記述です。2000年代は、消費者の立場から経済を考えさせていたが、2010年代から経営者の立場から経済を考えさせるように変わってしまった。特に、2017年に学習指導要領により「起業」の意義について書くことが必須となったという。そのため、長時間労働の解決のため、機械導入による人員削減と残業を減らす成果主義が強調された

 

まさに、人を増やしたり仕事を減らすという労働者の立場に立った解決策とは真逆のものを良しとし、非正規労働を当たり前と刷り込んだその典型が帝国書院の公民教科書であると。

 

また、育鵬社の写真無断掲載問題は無断掲載自体は問題だが、その内容は、子ども食堂を貧困対策と決めつけており、そこに通う子どもへの配慮はなく、運営者の苦労も考えていないそして、共助を強調することによって、公助の必要性という方向に目を向かせない重大な問題があると。

 

そして、教科書は国家・社会の「公式見解」となっている現状から、教科書にかかれる内容が一つの社会基準になることから、教科書問題は重要で、多くの人が今後とも関心を持ってもらいたいとのことでした。

 

そのあと、全国各地からの具体的でかつ感動的な報告があり、ZOOM参加した私も、育鵬社の写真無断掲載について、滋賀県教委が着払いで同社に返却することを決定し各市町教委に依頼したことなどを含めて、今年の滋賀の取組み報告をしました。

 

下記のとおり、報告集が発行されています。極めて、興味深い内容ですので、多くの皆さんが購入されるようご案内します。(子どもと教科書 市民・保護者の会関係者など、先に私に申し込みいただいた方は、重複しないようにしてください。)

 

 

 

パンフ「中学校教科書採択全国報告集2020」を希望の方には販売も行います。

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   パンフレット案内

中学校教科書採択全国報告集2020

育鵬社を激減に追い込んだ市民の闘い

A4版 156ページ 1冊1000円

子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会

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申し込み先  

インターネット  https://bit.ly/33RQmqT

FAX 06(6797)6704 

メール iga@mue.biglobe.ne.jp

■価格 1冊1000円。送料は3冊までは370円。4冊以上は無料。

■支払い方法

 郵便振替 あぶない教科書・大阪 00940-6-111724

 

目次 

■はじめに

 「勝利」の仕上げへ向けて!--日本教育再生機構の瓦解と宮崎正治ーー

■第1部 今年の中学校教科書の分析--育鵬社と採択された教科書批判

[1]公民教科書の経済的分野の記述について                   

[2]えらい歴史認識ズレてまっせ、育鵬社はん!

     ー縄文~古墳時代の大阪を「ヘンな教科書/育鵬社」が描くー         

[3]中学校教科書に日本軍「慰安婦」問題の記述復活を!  

 

■第2部 大阪各地の取り組み

[1]大阪で育鵬社激減!全国でも大きな後退!育鵬社を敗北に追い込んだ要因   

[2]2011年~2020年 東大阪における育鵬社不採択への軌跡            

[3]大阪市 悔しさをバネに育鵬社を不採択に!                

[4]河内長野市 5年間の市民等の取り組みが、育鵬社・公民教科書を不採択に! 

[5]四条畷市の報告 子どもの権利条約の視点をもとに           

[6]泉佐野市で「公民」教科書に「育鵬社」???              

[7]北摂4市1町(吹田市 摂津市 茨木市 高槻市 島本町)の取り組み

[8]豊中の取り組み                     

[9]枚方市 市民アンケート問題から展示の拡大へ              

[10]守口市:小さくてもキラリと光る運動がやりたい             

[11]大阪南部(南河内の各市)の取り組み                 

[12]堺市の取り組み~市民共同の力で!

 

■第3部 全国各地からの報告

[1]横浜市:育鵬社不採択も手続きに課題                                 

[2]藤沢市:恣意的な判断が入り込む余地を残さない―やっと育鵬社不採択      

[3]名古屋市で『育鵬社』歴史・公民教科書採択を阻止!            

[4]石川県:県内3市で育鵬社採択 育鵬社歴史教科書は金沢市が一番多く採用  

[5]滋賀における2020中学校教科書採択に対する取り組みの報告   

[6]育鵬社不採択を実現した呉の取り組み                

[7](愛媛)松山市教委の教科書採択結果と、今後の課題の報告         

[8]愛媛・新居浜市の報告と今後の課題                    

[9]ついに「変更」された「育鵬社」教科書―香川県立高松北中学校       

[10]防府市教委の育鵬社不採択について                         

[11]教科書採択 岩国・和木地区からの報告                        

[12]岩国採択地区(岩国市・和木町)協議会の採択の問題点について           

[13]下関市教委の育鵬社教科書採択の経過について                    

[14]北九州の報告                           

[15]熊本県の採択について                         

[16]宮城県の教科書採択                          

[17]2020年夏 教科書採択適正化運動報告 沖縄 

 

■第4部 右派の動きを押さえ込んだ運動の力

 

■第5部 投稿、アピールなど

[1]演劇で闘った教科書運動        

  育鵬社教科書と「闇教育」―育鵬社教科書採択反対運動に関わって         

[2]教科書採択健全化を求める運動における請願(請願権)の意味              

[3]企業に「国籍や信条による差別を受けない労働者の権利」の 保護義務を認めた判決

 

■資料 大阪府教委・市町村教委に提出した要望書

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