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小池氏“3大”ウソ 重症者、豊洲市場、軽症者施設で失策隠蔽

 

 新型コロナウイルスの感染再拡大をめぐり、札幌市と大阪市発も「Go To トラベル」の実質除外になったが、同じく深刻な東京都は小池知事が「国が判断すべき」と責任転嫁し、続行中だ。都民が不安を募らせる中、27日、新規感染者は過去最多の570人を記録した。会見した小池知事は神妙な面持ちながらも「5つの小(こ)」を呼びかける“フリップ芸”でパフォーマンスに余念がなかったが、3つのウソで自らの失策をゴマカしている。
 

 

 

 1つ目のウソは重症者数だ。都の発表では、27日は5日連続増の61人で、18日の39人から56%増。しかし、この数字は実態を反映していない。国の基準とは異なり、都独自基準で算定していることから、文字通りの「過小評価」なのだ。

 政府は重症者について、①人工呼吸器装着②人工心肺装置(ECMO)の使用③集中治療室(ICU)などに入室――のいずれかに該当する患者をカウントするよう各自治体に通知。大阪府などは国の基準に沿って重症者数を発表しているが、都は③に該当する患者を除外している。国の基準を当てはめた場合の重症者は250人(26日時点)に上り、公表値の4倍強に当たるのだ。

 数字のゴマカシは他にもある。軽症者や無症状者を収容する宿泊療養施設数は「過大評価」だ。小池知事は19日の会見で、療養施設について「3200室余りを確保しております」と豪語。27日の療養施設の入所者数は719人で、まだまだ余裕があるように見える。しかし、実際に入所できる部屋数は1910室しかない。都の福祉保健局担当者はこう話す。

 

 

「施設には運営要員として都の職員らも常駐していますから、その分、感染者が入所する部屋は限られます。また、感染者の退去後、消毒する必要がある。作業に時間がかかるため、次々と入所させるのは困難。確保した部屋全てに感染者が入所できるわけではありません」

 

 

3つ目のウソは、累計感染者が100人を超えた豊洲市場の扱いだ。市場内で集団感染が発生しているのは明らかなのに都は決して「クラスター発生」を認めない。


「認めることで市場の一部でも稼働を止めることになれば、年末の書き入れ時に影響が及びかねず、大きな経済ダメージが懸念される。何より都の管理責任を問われることになりかねない。それだけは避けたいということなのでしょう」(都庁記者)

 ヒドいゴマカシだらけだ。都議の上田令子氏はこう言う。

「私は10月上旬に宿泊療養施設の正確な数字を開示するよう、正式に都に求めました。にもかかわらず、都はいまだに『1910室』を公表せず、『3200室』の方だけを強調し続けている。小池知事は足元の感染再拡大を招いた失策を小さく見せかけたいのでしょう。豊洲市場のようにクラスター化しているケースもある。都民の暮らしと命を左右する問題なのですから、重症者数、療養施設数ともに正確な数字を公表すべき。その上で対策を打たなければ医療現場は一層、逼迫しかねません」

「東京大改革の一丁目一番地は情報公開」と言っていたのは他ならぬ小池知事だ。ほとんど口にしなくなったのは、隠蔽体質を自覚しているからなのか。