森友交渉記録「故意に隠した」 国に33万円賠償命令―大阪地裁
学校法人森友学園に国有地が格安で売却された問題をめぐり、近畿財務局と学園側の交渉記録などの開示を約2年遅らせたのは違法だとして、上脇博之・神戸学院大教授が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は25日、33万円の支払いを命じた。
松永栄治裁判長(山地修裁判長代読)は、保有していた行政文書を近畿財務局長が意図的に存在しないものとして扱ったと判断。「国家賠償法上の故意の違法行為で、内容や態様は相当に悪質」と指摘した。
また、速やかに文書を開示すべきだったのに対応せず、訴えの却下を求めたなどとして「応訴態度は甚だ不誠実だった」と批判。精神的苦痛に対する賠償を命じた。
上脇氏は2017年、情報公開請求で学園側との面談や交渉を記録した文書やメールなどが理由なく開示されなかったため、開示を求め提訴。国が19年4月、一転して面談・交渉記録を開示したため、賠償請求に変更した。
上脇氏は大阪市内で記者会見し、「国の悪質性を強く指摘しており、画期的だ」と評価する一方、誰が文書を隠したかなどが解明されていないとして、控訴する意向を表明した。
財務省の話 判決内容を精査し、関係省庁と協議して対応を検討したい。