◆ 沖縄の命は大切 (東京新聞【本音のコラム】)

鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)


 「民主主義は全員のコンセンサスは無理だから、そのときは多数決で決めていく。決まったことに皆がそれに従っていく」
 安倍首相は二十日、橋下徹元大阪市長のインターネット番組に出演。「憲法調査会で反対派が大騒ぎしても、多数決で決めてしまったら」と、橋下氏が早口で煽(あお)ったのに対するコメントである。

 民主主義の大原則は多数決というのが安倍首相の民主主義観で、多数決で「躊躇(ちゅうちょ)なく進める」を美学としているようだ。
 が、それは短慮傲慢(たんりょごうまん)と言うべきで、民主主義は少数意見をどれだけ尊重するか、熟慮と説得が基本でしょう。


 安倍政治が行き詰まってきたのは、数に頼り、多数で押してきたからであって、自慢の長期政権がボロボロぼろをだして、慌てて国会幕引きとした。

 閉会直前、唐突にでてきたのが、秋田県と山口県に設置が計画されていた「陸上イージス」の撤回
 二基の購入費用や維持費をふくめれば六千億円、さらに改修費用に二千億円。それも十年以上かかる、と指摘されていた不要、不急、危険、ムダ
 ついに河野太郎防衛相も「間違っている」と認めた安倍外交破綻の証明。県知事や県民が猛反対し、断念に繋(つな)がった。

 沖縄県知事、県議会、県紙二紙もこぞって猛反対。ムダで危険な辺野古米軍基地建設も撤回すべきだ
 「沖縄の命は大切」

『東京新聞』(2020年6月23日【本音のコラム】)

 

 

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