「新型コロナウィルス感染」対策をこわす13万病床削減政策
  安倍首相・小池都知事は病床削減をやめよ-ベッドを増やせ
   保健所を充実せよ

 ──── 平宮康広(信州大学工学部元講師)

◎ 昨年9月、厚労省は全国424の公立および公的病院に再編
統廃合を要求した。
 そして10月、経済財政諮問会議が全国13万病床の削減を提言し
安倍首相が同意した。
 「新型コロナウィルス」感染が蔓延した後も、政府は「13万病床
削減政策」を撤回しない。そのくせ医療体制が崩壊する、
などと騒いでいる。

 小池東京都知事が、13万病床削減政策の撤回を要求する場面は
ない。彼女も、医療体制が崩壊すると騒ぎ、ホテルやオリンピック
選手村を臨時医療施設として使用するなどと表明する。
 13万病床削減政策の撤回を要求しないで、ホテルやオリンピック
選手村を臨時医療施設として使用するというのは、筋が通らない。
だが、僕の見るところ、他道府県知事も小池東京都知事と
大同小異である。

◎ 困ったことに、野党国会議員たちも大同小異である。
 僕は、新型インフルエンザ対策特別措置法の改正に反対した
山尾議員の、その後の言動にあ然とした。彼女は、13万病床削減
政策を撤回せよ、法改正はその後である、と言うべきであった。
 しかし、彼女は立憲主義や民主主義を振りかざしただけだ。
 彼女は、立憲民主党から離れたが、自身の頭の悪さに気づき、
13万病床削減政策の撤回を論じる場面は今もない。
 むろん、彼女だけが例外的に頭が悪いわけではない。
 野党国会議員のほぼ全員が、13万病床削減政策の撤回を論じる
ことなく医療崩壊やロックダウンを論じている。マスメディアも
同様だ。

◎ 日本政府のせいで、日本の医療体制は新型コロナウィルス感染が
蔓延する少し前に崩壊している。
 僕は、僕が住んでいる富山県のいくつかの公立および公的病院の
惨状を見てそう思う。僕の自宅から車で30分ほど東にある公立病院は、
病床数を大幅に削減し、小児科を縮小した。車で30分ほど西にあ
公的病院は、小児科を廃止した。両院とも、婦人科はあるが、
産婦人科はない。

◎ 保健所はもっと悲惨である。富山県には、「保健所」と称する
施設はひとつしかない。富山市の保健所である。県内他市町村に
あるのは、主に「厚生センター」と称するもので、政府による保健
再編統廃合の残滓である。
 にもかかわらず、厚労省等は、「保健所でPCR検査を受け付けて
います」などと、しばしばアナウンスする。滑稽と言うしかない。

 

 

たんぽぽ舎です。【TMM:No3901】 2020年4月6日(月)地震と原発事故情報-