新型コロナリスク回避のサボタージュ-
| 資本と国家の利益のために人々が殺される
| ここ数日の状況は最も深刻な集団感染は医療施設で起きている
| なぜか?検査がされていないからではないか
└──── 小倉利丸(富山大学名誉教授/経済学)
最近の新型コロナの事態についてブログに書きました。
以下の文章はその冒頭です。
関心おありの方はブログをお読みください。
転載自由です。許諾は不要。
https://www.alt-movements.org/
◎ 世界中にあっという間に拡がった新型コロナウィルスによって、
大都市から人の姿が消えた。外出や集会自粛への同調圧力は非常に
強く、多くの社会運動は、好むと好まざるとにかかわらず、この同
圧力を受け入れざるをえないところに追い込まれている。
しかも、社会運動の側の多くは、世界規模で、感染の拡がりを阻止
するために、積極的に貢献する意思をもって、対処してもいるから
「同調圧力」という表現に含意されているある種の権力への従属と
いったニュアンスで語るべきではないのかもしれない。
政権であれ野党であれ、誰もがとりうる選択肢はただひとつしか
ないように思われている。
◎ しかし、本当に必要なことが、感染の拡大を阻止して重症者を
出さないようにすることであるならば、政府と企業が全力を尽して
人々が感染しているのかどうかを早期に発見する体制をとるべきだ
にもかかわらず、いまだに院内感染が後を断たない。夜遊びに
出るなとか、クラブは閉鎖だという脅しともいえる圧力があるなか
ここ数日の状況では、最も深刻な集団感染は医療施設で起きている
◎ なぜなのだろうか。不顕性の感染者が多数存在するなかで、
こうした感染者が医療機関や福祉施設、学校などの関係者のなかに
いないかどうかの検査がされていないからではないか。いったい
どれだけの人たちが検査を受けているのだろうか。
むしろリスクを抱えた人たちと関わる可能性の高い人たちの多くが
未だに検査されない状態にあるのではないか。
◎ 日本の政府や専門家は、検査を重症者となりうるような発症が
疑われる人たちに限定しようとしている。これは早期発見による感
拡大のリスクを減らすという常識に反する。
多くの軽症者や不顕性の人々がおり、こうした人々が陰性の人々と
接触する機会を極力減らす必要があるにもかかわらず、陰性か陽性
判断基準となる検査がされない。
これでは予防はできないのではないか。
◎ 物理的に検査が無理だという言い訳は通用しない。日本では検査
可能な数のわずか2割しか実施されていないのだ。(NHK3月1
新型コロナウイルスの検査 世界の検査数は?日本の現状は?)
これは、本気で検査をしようという意思がないことを示している。
◎ 医療崩壊を起さないために検査をしないという奇妙な理屈がある。
医療という制度を守ることの方が感染者を適切に治療すること
よりも大切なのだとすれば、医療とは医療制度のためにあるのであ
患者のためにあるのではない、と言っているに等しい。
そして、医療崩壊を防ぐために、感染した人たちは、自宅から
出るなという。
では、同居している人たちはどうすべきなのか。そのマニュアルは
あるのだろうか。
医療の知識もない人たちが素人の適当な判断で濃厚接触を
繰り返さざるをえないわけで、医療制度のために親密な人々の関係
崩壊はいたしかたないというのだろう。
◎ 政府も医療産業もそのほかの多くの企業も、本気で人々を守る
つもりがあるとは思えない。
彼らにとって、まず第一に守るべきものは、既存の制度であって、
人ではない、ということがこれほどまでにはっきり示された
ことはない。
この意味で、今引き起されている事実上のロックダウン体制は、
不可抗力としての新型コロナの蔓延によるというよりも、蔓延を阻
するための最大限の努力を政府も医療産業もしてこなかった、権力
利益のためのサボタージュの結果だというしかないと思う。
そして、「以下」で述べるように、経済活動へのマイナスの影響に
ついて、政府もメディアも懸念を表明して様々な補償措置などが検
されるが、政治活動、とりわけ議会外の草の根の活動自粛がもたら
マイナスの影響については論じようとはしない。
「以下」については、上記ブログをごらん下さい。
(「脱被ばく実現ネット」のMLより転