専門家会議による「これから1,2週間が瀬戸際」とのまとめ(2月24日)を根拠にした安倍首相の「政治判断」では、「休業期間」が「3月2日から春休みまで」の、3週間以上にすり替えられている

 

(滋賀県内各教委も「政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の要請を受けて」春休みに入るまでの24日まで3週間の休校としています。)

 

 

◆高嶋伸欣さんのメール

 

 2日から始まったこの窮状について見聞きしながら、不思議でならないのが、安倍首相の今回の「政治的判断」の明白な矛盾を、マスコミも野党も明確に指摘していないことです。

 

 それは、専門家会議による「これから1,2週間が瀬戸際」とのまとめ(2月24日)を根拠にした安倍首相の「政治判断」の「休業期間」が「3月2日から春休みまで」の、3週間以上にすり替えられているという点です。

 この長さが保護者達に絶望感さえ及ぼしていると、私には思えるのです。

 

① 首相は、ことを急いだ最大の根拠として「専門家の知見によればこれから1,2週間が急速な感染拡大に進むか収束できるかの瀬戸際との見解が示された」ことを繰り返して挙げ、「2日から春休みまで」としたのは「まさに1,2週間ということで判断した」と答弁(3月2日、参院予算委)しています。

② ここで根拠とされた「専門家の知見」とは、政府の「新型肺炎対策専門家会議」がまとめた「見解」の中にある一部分で、それなりに専門家としての判断をまとめたものと考えられます。

③ けれども同「知見」が取りまとめられたのは2月24日です。当然ながら「これからの1,2週間」の日数計算は、2月25日からの「1,2週間」となるはずです。

④ ところが、安倍首相は①にあるように「1,2週間」の起算日を「(3月)2日から」にすり替えているのです。

⑤ さらに本来の25日からの「1,2週間」の期末は9日(月)であるのに、それを「春休みまで」とすり替え、期間を引き延ばしているのです。

⑥ 「春休み」は、都道府県や政令都市別などで、各教委がそれぞれ決めることが多く、開始時期はまちまちです。長野県のように3月17日からというのは例外的で、大多数が3月23日以後です(ネットで「春休み」を検索できます)。

⑦ 安倍首相が当てずっぽうで勝手に「春休みまで」と言い張ったために、2月25日からの「1,2週間」のはずが「4週間」にすると変わってしまっているのです。

  でもこの矛盾点を、野党が国会で追及している様子が見受けられません。

 そして、マスコミもです。

⑧ 小学生の児童だけを家に置いては置けないと、2日からともかく日々を凌ぐのに精いっぱいの、就労中の保護者にとって、本来の「1,2週間」である9日(月)あるいは6日(金)までとりあえず休校(休業)にされているのであれば、気持ちの上での負担感がまるで違うはずです。其の後については改めて検討するということで、不安感や疲労感さらには頑張りの目安を得ての安心感など、救われるはずではないでしょうか。

⑨ 「春休みまで」という語が示す今回の「政治的判断」の致命的欠陥がなぜ見過ごされているのか、不思議です。

 

  *萩生田大臣や文科省の官僚は官邸にものを言う気概がない?

  *文科省記者クラブの記者たちは、「春休み」の期間についての認識がない? 文科大臣の広報係になっている?

  *各地の教委の中には、この点を認識していて、「休業期間」を「1,2週間」ではなく、「(2日から)10日間程度」にしているところが少なくありません。

    沖縄県内の市町村教委の大半が県教委を見習い、そのようにしています。

  *マスコミは、「一部の学校で1・2年生の保護をうけいれています」などという希少な事例探しに集中しないで、根本の部分で首相の「政治的判断」に異を唱える行動をしている教委が全国に多数存在していることに着目する洞察力を、日ごろから修得しておいて欲しいものです。

  *その洞察力から首相の判断の欠陥を突き、「休業期間」の短縮が図られるならば、どれだけ多くの人々が救われる思いになるか、知れないのです。

  マスコミや政治家が頼りにならない地域では、児童・生徒と保護者や関係者が、教育委員会に「本来の『1,2週間』で良いはずです」と指摘して、休業期間の見直しを求める「請願書」(住所・氏名さえ記載してあれば書式は自由です)を出しましょう。

   *請願はその地域の住民でなくてもできます。遠方に住む孫のために出すことも可能です。

  以上 高嶋の私見です。

    上記の件をすでに指摘している事例がありましたらご教示ください。  

 

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