2019年8月15日 東京新聞 夕刊

NY株急落 800ドル安 景気後退懸念 東証一時400円超下げ
 
 【ワシントン=白石亘】

 14日のニューヨーク株式市場は、世界的な景気後退の懸念が広がり、ダウ工業株三十種平均が急落。前日比8〇〇・49ドル安の2万5479・42ドルで取引を終えた。下げ幅は今年最大。15日の東京株式市場では一時、日経平均株価(225種)が前日終値比470円28銭安の2万0184円85銭まで大幅に下落するなど、米株急落の影響が広がっている。

 午後一時現在は前日比308円10銭安の2万0347円03銭。東証株価指数(TOPIX)は19・91ポイント安の1479・59。

 米債券市場では、30年物国債の利回りが2・01%と過去最低をつけた。株などのリスク資産から、安全資産の国債に資金を振り向ける動きが広がり、長期金利が低下(価格は上昇)したため。また十年債の利回りは一時、二年債を下回り、長期金利と短期金利が逆転する「逆イールド」と呼ばれる現象が起きた。

 十年債と二年債の逆イールドはリーマン・ショック前の2007年以来、十二年ぶり。過去にも景気後退入りする前に発生しており、景気の先行きに悲観的な見方が強まった。

 14日はダウ平均を構成するすべての銘柄が下落した。特に、金利低下によって収益に影響を受けやすい銀行株の下げ幅が大きかった

 トランプ大統領はツイッターで「利上げする時は急いだのに、利下げは非常に遅い。長短金利の逆転はクレージーだ!」と書き込み、米連邦準備制度理事会(FRB)の対応をあらためて批判した。

 世界的にも景気後退への懸念が高まっている。中国の7月の鉱工業生産は、米中貿易戦争のあおりで17年ぶりの低い伸びを記録。ドイツの4~6月期の実質国内総生産(GDP)も前期比0・1%減少、3・4半期ぶりのマイナス成長に沈んでいる。


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■2019/8/15 06:12 (JST)【ニューヨーク共同】

NY株急落、800ドル安
世界景気の後退懸念

 14日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は急落し、前日比800.49ドル安の2万5479.42ドルで取引を終えた。6月4日以来約2カ月ぶりの安値水準で、下げ幅は今年最大だった。景気後退の予兆とされる長短金利の逆転が起こり、世界的な景気後退への懸念が強まった。英国やドイツなど欧州の主要市場も大幅に下落した。

 中国が14日発表した7月の工業生産の伸び率は17年5カ月ぶりの低水準だったほか、ドイツが3四半期ぶりのマイナス成長となった。米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題を背景に、世界経済に不透明感が高まった。