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毎日新聞2019年8月2日 19時17分(最終更新 8月2日 19時23分)


 誤認逮捕 取り調べに愛媛県警本部長「ただちにアウトではない」


 愛媛県警松山東署に窃盗容疑で誤認逮捕された松山市内の20代の女性が1日に手記を発表したことを受け、県警の松下整本部長が同日夜、県警本部で報道各社の個別取材に応じた。女性が「自白強要」と訴えた取り調べについて、本部長は「ただちにアウトではない」との認識を示した。


 県警本部長が個別案件について個別取材に応じるのは異例。女性は7月に逮捕され、取り調べ中に「就職も決まってるなら大事(おおごと)にしたくないよね?」「認めないと終わらないよ」と自白を強要するような発言があったと手記で明かした。「犯人なら目の前にいる」とも言われたと県警を批判し、再発防止策の公表などを求めている

 松下本部長は毎日新聞の取材に「非常に申し訳ないという思いをより強くした」と語った。一方で、手記にある取り調べでの発言については前後の文脈などが分からず、印象的な文言が切り取られている可能性があると指摘。「全く問題がないとは言えないので、確認している」と述べるにとどめた。

 さらに、取り調べや指紋採取などが「朝の10時ごろから夕方17時ごろまでかかることもあった」と手記に書かれた点について「待ち時間も含まれている」と指摘。女性が担当刑事から直接の謝罪を求めていることに対しては「前例を作るわけにはいかず、幹部が謝罪するということになっている」と説明した。

 また、再発防止策の公表については、捜査手法を明らかにすることにつながり問題があるとして「考えていない」との見解を示した。

【木島諒子】

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