Statement by President Donald Tusk after his visit to Nagasaki
Visit of President Tusk to Nagasaki and Hiroshima on 26 June 2019
Good morning. I am honoured to be here today in the memorable city of Nagasaki. Thank you for your warm welcome.
I am deeply moved by my visit at the Atomic Bomb Museum, the National Peace Memorial, and the conversations I have had.
Even such a short visit has made me forcefully aware of how tragic the lesson of Nagasaki is, and yet, how full of hope it is. Today, two days before the meeting of world leaders in Osaka, it should also be a lesson of responsibility for our common future.
It is from here, from Nagasaki, that the words of warning and a simple appeal to all G20 participants should resonate: Wake up before it is too late. The global stage cannot become an arena where the stronger will dictate their conditions to the weaker without any reservations, where egoism will dominate over solidarity, and where nationalistic emotions will dominate over common sense. You should understand: you take responsibility not only for your own interests, but above all, for peace and a safe, fair world order.
The threats of a nuclear blackmail ever-present in North Korea’s politics and Iran’s rhetoric, regional conflicts: in Syria, Ukraine or in Libya, instability in dozens of places on all continents, trade tensions among the greatest world superpowers, as well as not yet fully recognised consequences of threats coming from the climate crisis and next stages of technological revolution, show us how close to the brink the world has come. We continue to pretend that we are in full control of the dynamics of events and changes, but this is an illusion. The awareness of those risks should guide discussions in Osaka.
広島訪問後のトゥスク欧州理事会議長のステートメント
26/06/2019 - 15:22
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<日本語仮訳>
こんにちは。作家の大江健三郎がかつて言ったように、おそらく私は「もっと早く広島に来るべきだった、早ければ早いほど良かった」のです。しかし、広島を訪れるのに遅すぎるということは決してない、と私は強く確信しています。なぜなら広島は時を超え、永遠に人類に与えられた印だからです。しかしその印は、必ずしも聞かれておらず、必ずしも見られておらず、必ずしも理解されていません。だからこそ、世界の未来を左右する立場にいる者が、それが今日でなかったとしても、将来この広島を訪れることには意味があるのです。この重要なシンボルをよく解釈し解読するためにです。それゆえ、広島が発するメッセージをいつまでも記憶するために、被爆者の話しに耳を傾け、自分の目でこの場所を実際に見ることは価値があるのです。それが手遅れになってしまう前にです。
わたしはグダニスクの出身です。グダニスクは、戦時中に完全に焼け落ちた街ですが、市民の見事な努力で再建されました。そして市の象徴である連帯は、希望を伝えています。広島が経験した原爆の惨禍は、爆撃や火災によって破壊された、世界の他の都市の戦争体験をはるかに超えるものですが、私たちは皆「二度と繰り返さない」という信念によって結びついています。
広島は世界の終わりを予感させる場所です。つまり、もし私たちがこの悲劇を忘れたならば、いつかまた起こるかもしれないからです。だからこそ、広島の証言が出来る限り長い間語り継がれ、出来るだけ多くの人に届けられることがとても重要なのです。
2日後に、大阪でG20サミットが開幕します。私たちの地球の運命を大きく左右する世界のリーダーたちが一堂に会します。そうした世界のリーダーたちに、今日私が聞いたことを、伝えたいと思います。核不拡散、軍縮、平和、相互尊重のために行動を起こす決意と勇気を持って欲しいと。そして、広島と長崎を訪れるべきです。なぜなら、言うまでもなく、決して遅すぎるということはないからです。ありがとうございました。
長崎訪問後のトゥスク欧州理事会議長のステートメント
26/06/2019 - 07:17
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<日本語仮訳>
おはようございます。この記憶すべき街、長崎に来ることができ、光栄に思います。また温かく歓迎していただきありがとうございます。
本日、長崎原爆資料館および国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館を訪問したこと、そしてそこで伺ったお話に、深く心を動かされました。
短い訪問ではありましたが、長崎の教訓がいかに悲劇的なものであったかを強く認識させられました。しかし、また多くの希望も感じることができました。2日後には大阪で世界のリーダーが一堂に会しますが、長崎の教訓は、私たちは今、共通の未来に対して責任を負っているのだと教えるものでもあるはずです。
ここ長崎から全てのG20の参加者に対する、「手遅れになる前に目を覚ませ」という警鐘と率直な訴えが心に響いてきます。国際社会は、強い者が容赦なく自らの都合を弱い者に押しつける場所であってはならない。また利己主義が連帯を上回る、また国家主義的な感情が常識を上回る場所であってはなりません。自らの利益だけではなく、何よりも平和で安全かつ公正な国際秩序に対して責任を負っていることを理解しなければならないのです。
相手を脅すために核を利用するという脅威はいまだに存在しています。北朝鮮の政治やイランの発言において。シリア、ウクライナ、リビアなどの地域紛争や、全ての大陸にある何十もの不安定な地域において。そして世界最大の超大国同士の貿易を巡る緊張関係において。それは、気候変動や次の段階の技術革命がもたらす重大な結果に対する認識不足と相まって、世界が今いかに瀬戸際に近いところに立っているのかを示しています。私たちはさまざまな事態や変化を完全に制御していると信じるふりを続けていますが、それは幻想です。こうしたリスクを自覚することが、大阪における議論の導きとならなければなりません。
長崎が教えてくれることを無駄にしない。そのことに責任を負っているのは、世界の超大国のリーダーたちなのです。