直木賞に真藤順丈(しんどうじゅんじょう)さん(41)の「宝島」(講談社)が選ばれました。

 
みさと
熱量の高さに圧倒され、飲み込まれる小説。高い熱量のままに走り抜ける小説。舞台は米軍政下の沖縄。「鉄の暴風」を生き延びた3人の孤児たち、グスク、レイ、ヤマコの物語。米軍基地から物資を奪う戦果アギヤーとして生き、瀬長亀次郎のいる獄中暴動の現場に、米兵による女性暴行殺人の現場に、米軍機墜落の犠牲となった小学校の現場に、復帰デモの現場に、そしてコザ騒動の現場に立つことになった彼ら。アメリカーとヤマトの圧政と暴力と欺瞞に抗い走り続けた彼ら。彼らの見たものは何だったのだろうか。目をそらすわけにはいかない物語。