日本 1953年4月21日 A
2004年8月31日 A
2004年8月31日 A
1 1949年のジュネーヴ諸条約(ジュネーヴ4条約)
武力紛争が生じた場合に、傷者、病者、難船者及び捕虜、これらの者の救済にあたる衛生要員及び宗教要員並びに文民を保護することによって、武力紛争による被害をできる限り軽減することを目的とした以下の4条約の総称です。日本は、1953年4月21日に加入しました。
2 ジュネーヴ諸条約追加議定書(1977年採択)
武力紛争の形態が多様化・複雑化したことを踏まえ、文民の保護、戦闘の手段及び方法の規制等の点で、ジュネーヴ諸条約を始めとする従来の武力紛争に適用される国際人道法を発展・拡充したものです。国際的な武力紛争に適用される第1追加議定書と非国際的な武力紛争に適用される第2追加議定書があります。日本は、2004年8月31日に加入しました。
- ジュネーヴ諸条約追加議定書の主な内容
- 第1追加議定書(全文)(PDF)http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000062251.gif
- 第2追加議定書(全文)(PDF)http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000062251.gif
- 報道関係者に係る身分証明書
- 2005年2月28日にジュネーヴ諸条約第1追加議定書が我が国について発効しました。
- ジュネーヴ諸条約第一追加議定書第79条3に基づく報道関係者に係る身分証明書 (以下、「身分証」)の発行の申請に当たっての留意事項
戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(第一条約)
昭和二十八年十月二十一日
条約第二十三号第一章 総則
第一条〔条約の尊重〕締約国は、すべての場合において、この条約を尊重し、且つ、この条約の尊重を確保することを約束する。第二条〔条約の適用〕平時に実施すべき規定の外、この条約は、二以上の締約国の間に生ずるすべての宣言された戦争又はその他の武力紛争の場合について、当該締約国の一が戦争状態を承認するとしないとを問わず、適用する。 ② この条約は、また、一締約国の領域の一部又は全部が占領されたすべての場合について、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、適用する。 ③ 紛争当事国の一がこの条約の締約国でない場合にも、締約国たる諸国は、その相互の関係においては、この条約によって拘束されるものとする。更に、それらの諸国は、締約国でない紛争当事国がこの条約の規定を受諾し、且つ、適用するときは、その国との関係においても、この条約によって拘束されるものとする。 第三条〔国際的性質を有しない紛争〕締約国の一の領域内に生ずる国際的性質を有しない武力紛争の場合には、各紛争当事者は、少くとも次の規定を適用しなければならない。(1) 敵対行為に直接に参加しない者(武器を放棄した軍隊の構成員及び病気、負傷、抑留その他の事由により戦闘外に置かれた者を含む。)は、すべての場合において、人種、色、宗教若しくは信条、性別、門地若しくは貧富又はその他類似の基準による不利な差別をしないで人道的に待遇しなければならない。 このため、次の行為は、前記の者については、いかなる場合にも、また、いかなる場所でも禁止する。 (a) 生命及び身体に対する暴行、特に、あらゆる種類の殺人、傷害、虐待及び拷問 (b) 人質 (c) 個人の尊厳に対する侵害、特に、侮辱的で体面を汚す待遇 (d) 正規に構成された裁判所で文明国民が不可欠と認めるすべての裁判上の保障を与えるものの裁判によらない判決の言渡及び刑の執行 (2) 傷者及び病者(第二条約…傷者、病者及び難船者。)は、収容して看護しなければならない。 ② 赤十字国際委員会のような公平な人道的機関は、その役務を紛争当事者に提供することができる。 ③ 紛争当事者は、また、特別の協定によって、この条約の他の規定の全部又は一部を実施することに努めなければならない。 ④ 前記の規定の適用は、紛争当事者の法的地位に影響を及ぼすものではない。 第四条〔中立国による適用〕中立国は、その領域内に収容し、又は抑留した紛争当事国の軍隊の傷者、病者、衛生要員及び宗教要員並びにその領域内に収容した死者に対し、この条約の規定を準用しなければならない。第五条〔条約の適用期間〕この条約によって保護される者で敵の権力内に陥ったものについては、この条約は、それらの者の送還が完全に終了する時まで適用があるものとする。第六条〔特別協定〕締約国は、第十条、第十五条、第二十三条、第二十八条、第 三十一条、第三十六条、第三十七条及び第五十二条に明文で規定する協定の外、別個に規定を設けることを適当と認めるすべての事項について、他の特別協定を締結することができる。いかなる特別協定も、この条約で定める傷者、病者、衛 生要員及び宗教要員の地位に不利な影響を及ぼし、又はこの条約でそれらの者に与える権利を制限するものであってはならない。② 傷者、病者、衛生要員及び宗教要員は、この条約の適用を受ける間は、前記の協定の利益を引き続き享有する。但し、それらの協定に反対の明文規定がある場合又は紛争当事国の一方若しくは他方がそれらの者について一層有利な措置を執った場合は、この限りでない。 第七条〔権利の不放棄〕傷者、病者、衛生要員及び宗教要員(第二条約…傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員。第三条約…捕虜。第四条約…被保護者。)は、いかなる場合にも、この条約及び、前条に掲げる特別協定があるときは、その協定により保障される権利を部分的にも又は全面的にも放棄することができない。第八条〔利益保護国〕この条約は、紛争当事国の利益の保護を任務とする利益保護国の協力により、及びその監視の下に適用されるものとする。このため、利益保護国は、その外交職員又は領事職員の外、自国の国民又は他の中立国の国民の中から代表を任命することができる。それらの代表は、任務を遂行すべき国の承認を得なければならない。② 紛争当事国は、利益保護国の代表者又は代表の職務の遂行をできる限り容易にしなければならない。 ③ 利益保護国の代表者又は代表は、いかなる場合にも、この条約に基く自己の使命の範囲をこえてはならない。それらの者は、特に、任務を遂行する国の安全上絶対的に必要なことには考慮を払わなければならない。それらの者の活動は、絶対的な軍事上の必要がある場合に限り、例外的且つ一時的措置として制限することができる。 第九条〔赤十字国際委員会の活動〕この条約の規定は、赤十字国際委員会その他の公平な人道的団体が傷者、病者、衛生要員及び宗教要員(第二条約…傷者、病者、難船者、衛生要員又は宗教要員。第三条約…捕虜。第四条約…文民。)の保護及び救済のため関係紛争当事国の同意を得て行う人道的活動を妨げるものではない。第十条〔利益保護国の代理〕締約国は、公平及び有効性についてすべての保障をする団体に対し、いつでも、この条約に基く利益保護国の任務を委任することに同意することができる。② 傷者、病者、衛生要員及び宗教要員(第二条約…傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員。第三条約…捕虜。第四条約…被保護者。)が、理由のいかんを問わず、利益保護国若しくは前項に規定するいずれかの団体の活動による利益を受けない場合又はその利益を受けなくなった場合には、抑留国は、中立国又は同項に規定するいずれかの団体に対し、紛争当事国により指定された利益保護国がこの条約に基いて行う任務を引き受けるように要請しなければならない。 ③ 保護が前項により確保されなかったときは、抑留国は、赤十字国際委員会のような人道的団体に対し、利益保護国がこの条約に基いて行う人道的任務を引き受 けるように要請し、又は、本条の規定を留保して、その団体による役務の提供の申出を承諾しなければならない。 ④ 前記の目的のため当該国の要請を受け、又は役務の提供を申し出る中立国又は団体は、この条約によって保護される者が属する紛争当事国に対する責任を自覚して行動することを要求され、また、その任務を引き受けて公平にこれを果す能力があることについて充分な保障を与えることを要求されるものとする。 ⑤ 軍事的事件、特に、領域の全部又は主要な部分が占領されたことにより、一時的にでも相手国又はその同盟国と交渉する自由を制限された一国を含む諸国間の特別協定は、前記の規定とてい触するものであってはならない。 ⑥ この条約において利益保護国とは、本条にいう団体をも意味するものとする。 第十一条〔調停手続〕利益保護国は、この条約によって保護される者の利益のために望ましいと認める場合、特に、この条約の規定の適用又は解釈に関して紛争当事国の間に紛議がある場合には、その紛議を解決するために仲介をしなければならない。② このため、各利益保護国は、紛争当事国の一の要請又は自国の発意により、紛争当事国に対し、それぞれの代表者、特に、傷者、病者、衛生要員及び宗教要員(第二条約…傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員。第三条約…捕虜。第四条約…被保護者。)について責任を負う当局ができれば適当に選ばれた中立の地域で会合するように提案することができる。紛争当事国は、自国に対するこのための提案に従わなければならない。利益保護国は、必要がある場合には、紛争当事国に対し、その承認を求めるため、中立国に属する者又は赤十字国際委員会の委任を受けた者で前記の会合に参加するように招請されるものの氏名を提出することができる。 第二章 傷者及び病者
第十二条〔保護及び看護〕次条に掲げる軍隊の構成員及びその他の者で、傷者又は病者であるものは、すべての場合において、尊重し、且つ、保護しなければならない。② それらの者をその権力内に有する紛争当事国は、それらの者を性別、人種、国籍、宗教、政治的意見又はその他類似の基準による差別をしないで人道的に待遇し、且つ、看護しなければならない。それらの者の生命又は身体に対する暴行は、厳重に禁止する。特に、それらの者は、殺害し、みな殺しにし、拷問に付し、又は生物学的実験に供してはならない。それらの者は、治療及び看護をしないで故意に遺棄してはならず、また、伝染又は感染の危険にさらしてはならない。 ③ 治療の順序における優先権は、緊急な医療上の理由がある場合に限り、認められる。 ④ 女子は、女性に対して払うべきすべての考慮をもって待遇しなければならない。 ⑤ 紛争当事国は、傷者又は病者を敵側に遺棄することを余儀なくされた場合には、軍事上の事情が許す限り、それらの者の看護を援助するためにその衛生要員及び衛生材料の一部をそれらの者に残さなければならない。 第十三条〔保護される者〕この条約は、次の部類に属する傷者及び病者に適用する。(1) 紛争当事国の軍隊の構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊又は義勇隊の構成員 (2) 紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員(組織的抵抗運動団体の構成員を含む。)で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動するもの。但し、それらの民兵隊又は義勇隊(組織的抵抗運動団体を含む。)は、次の条件を満たすものでなければならない。 (a) 部下について責任を負う一人の者が指揮していること。 (b) 遠方から認識することができる固着の特殊標章を有すること。 (c) 公然と武器を携行していること。 (d) 戦争の法規及び慣例に従って行動していること。 (3) 正規の軍隊の構成員で、抑留国が承認していない政府又は当局に忠誠を誓ったもの (4) 実際には軍隊の構成員でないが軍隊に随伴する者、たとえば、文民たる軍用航空機の乗組員、従軍記者、需品供給者、労務隊員又は軍隊の福利機関の構成員等。但し、それらの者がその随伴する軍隊の認可を受けている場合に限る。 (5) 紛争当事国の商船の乗組員(船長、水先人及び見習員を含む。)及び民間航空機の乗組員で、国際法の他のいかなる規定によっても一層有利な待遇の利益を享有することがないもの (6) 占領されていない領域の住民で、敵の接近に当り、正規の軍隊を編成する時日がなく、侵入する軍隊に抵抗するために自発的に武器を執るもの。但し、それらの者が公然と武器を携行し、且つ戦争の法規及び慣例を尊重する場合に限る。 第十四条〔身分〕第十二条の規定に従うことを条件として、交戦国の傷者及び病者で敵の権力内に陥ったものは、捕虜となるものとし、また、捕虜に関する国際法の規定が、それらの者に適用される。第十五条〔死傷者の捜索、収容〕紛争当事国は、常に、特に交戦の後に、傷者及び病者を捜索し、及び収容し、それらの者をりゃく奪及び虐待から保護し、それらの者に充分な看護を確保し、並びに死者を捜索し、及び死者がはく奪を受けることを防止するため、遅滞なくすべての可能な措置を執らなければならない。② 事情が許すときは、いつでも、戦場に残された傷者の収容、交換及び輸送を可能にするため、休戦、戦闘停止又は現地取極について合意しなければならない。 ③ 同様に、攻囲され、又は包囲された地域にある傷者及び病者の収容又は交換並びにそれらの地域へ向う衛生要員、宗教要員及び衛生材料の通過に関し、紛争当事国相互間で現地取極を結ぶことができる。 第十六条〔記録及び情報の送付〕紛争当事国は、その権力内に陥った敵国の傷者、病者及び死者に関し、それらの者の識別に役立つ明細をできる限りすみやかに記録しなければならない。② それらの記録は、できる限り次の事項を含むものでなければならない。 (a) その者が属する国 (b) 軍の名称、連隊の名称、個人番号又は登録番号 (c) 姓 (d) 名 (e) 生年月日 (f) 身分証明書又は識別票に掲げるその他の明細 (g) 捕虜とされた年月日及び場所又は死亡の年月日及び場所 (h) 負傷若しくは疾病に関する明細又は死亡の原因 ③ 前記の情報は、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約第百二十二条に掲げる捕虜情報局にできる限りすみやかに送付しなければならない。捕虜情報局は、利益保護国及び中央捕虜情報局の仲介により、それらの者が属する国にその情報を伝達しなければならない。 ④ 紛争当事国は、死亡証明書又は正当に認証された死者名簿を作成し、且つ、捕虜情報局を通じて相互にこれを送付しなければならない。紛争当事国は、同様に、死者について発見された複式の識別票の一片、遺書その他近親者にとって重要な書類、金銭及び一般に内在的価値又は感情的価値のあるすべての物品を取り集め、且つ、捕虜情報局を通じて相互にこれらを送付しなければならない。それらの物品は、所属不明の物品とともに、封印した小包で送らなければならない。それらの小包には、死亡した所有者の識別に必要なすべての明細を記載した記述書及び小包の内容を完全に示す表を附さなければならない。 第十七条〔死者、墳墓登録機関〕紛争当事国は、死亡を確認すること、死者を識別すること及び報告書の作成を可能にすることを目的として、事情が許す限り各別に行われる死者の土葬又は火葬を行う前に、死体の綿密な検査、できれば医学的検査を行うことを確保しなければならない。複式の識別票の一片又は、単式の識別票の場合には、識別票は、死体に残さなければならない。② 死体は、衛生上絶対に必要とされる場合及び死者の宗教に基く場合を除く外、火葬に付してはならない。火葬に付した場合には、死亡証明書又は正当に認証された死者名簿に火葬の事情及び理由を詳細に記載しなければならない。 ③ 紛争当事国は、更に、死者をできる限りその属する宗教の儀式に従って丁重に埋葬すること並びにその死者の墓が尊重され、できればその国籍に従って区分され、適当に維持され、及びいつでも見出されるように標示されることを確保しなければならない。このため、紛争当事国は、敵対行為の開始の際、埋葬後の発掘を可能にし、並びに墓が所在する場所のいかんを問わず死体の識別及び本国へのその輸送を確保するため、公の墳墓登録機関を設置しなければならない。これらの規定は、本国の希望に従って適当な措置が執られるまで墳墓登録機関が保管しなければならない遺骨に対しても、同様に適用する。 ④ 前記の墳墓登録機関は、事情が許す限りすみやかに、遅くとも敵対行為の終了の際、第十六条第二項に掲げる捕虜情報局を通じて、墓の正確な所在地及び標示並びにそこに埋葬されている死者に関する明細を示す表を交換しなければならない。 第十八条〔住民の役割〕軍当局は、住民に対し、軍当局の指示の下に自発的に傷者及び病者を収容し、且つ、看護するように、その慈善心に訴えることができる。軍当局は、この要請に応じた者に対して必要な保護及び便益を与えるものとする。敵国がその地域の支配権を掌握し、又は奪還するに至った場合には、その敵国は、同様に、それらの者に同一の保護及び便益を与えなければならない。② 軍当局は、侵略され、又は占領された地域においても、住民及び救済団体に対し、自発的に傷者又は病者をその国籍のいかんを問わず収容し、且つ、看護することを許さなければならない。文民たる住民は、これらの傷者及び病者を尊重しなければならず、特に、それらの者に対して暴行を加えないようにしなければならない。 ③ いかなる者も、傷者又は病者を看護したことを理由としてこれを迫害し、又は有罪としてはならない。 ④ 本条の規定は、傷者及び病者に衛生上及び精神上の看護を与える義務を占領国に対して免除するものではない。 第三章 衛生部隊及び衛生施設
第十九条〔保護〕紛争当事国は、いかなる場合にも、衛生機関の固定施設及び移動衛生部隊を攻撃してはならず、常にこれを尊重し、且つ、保護しなければならない。それらの固定施設及び移動衛生部隊が敵国の権力内に陥った場合には、それらの施設及び部隊の要員は、抑留国がそれらの施設及び部隊の中にある傷者及び病者に必要な看護を自ら確保しない限り、自由にその任務を行うことができる。② 責任のある当局は、前記の施設及び部隊が、できる限り、軍事目標に対する攻撃によってその安全を危くされることのないような位置に置かれることを確保しなければならない。 第二十条〔病院船の保護〕海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約の保護を受ける権利を有する病院船は、陸上から攻撃してはならない。第二十一条〔保護の消滅〕衛生機関の固定施設及び移動衛生部隊が享有することができる保護は、それらの施設及び部隊がその人道的任務から逸脱して敵に有害な行為を行うために使用された場合を除く外、消滅しないものとする。但し、その保護は、すべての適当な場合に合理的な期限を定めた警告が発せられ、且つ、その警告が無視された後でなければ、消滅させることができない。第二十二条〔保護をはく奪してはならない事実〕次の事実は、第十九条により保障される保護を衛生部隊又は衛生施設からはく奪する理由としてはならない。(1) 当該部隊又は施設の要員が武装しており、且つ、自衛又はその責任の下にある傷者及び病者の防衛のために武器を使用すること。 (2) 武装した衛生兵がいないために当該部隊又は施設が監視兵、しよう兵又は護衛兵によって保護されていること。 (3) 傷者及び病者から取り上げた小武器及び弾薬でまた適当な機関に引き渡されていないものが当該部隊又は施設内にあること。 (4) 獣医機関の要員及び材料が当該部隊又は施設内にあること。但し、当該部隊又は施設の不可欠な一部分を構成しない場合に限る。 (5) 当該部隊及び施設又はそれらの要員の人道的活動が文民たる傷者及び病者の看護に及んでいること。 第二十三条〔病院地帯及び病院地区〕締約国は平時において、紛争当事国は敵対行為の開始の時以後、自国の領域及び必要がある場合には占領地区において、傷者及び病者を戦争の影響から保護するために組織される病院地帯及び病院地区を設定し、並びにそれらの地帯及び地区の組織及び管理並びにそれらの中に収容される者の看護の責任を負う要員を定めることができる。② 関係当事国は、敵対行為の開始に当り、及び敵対行為の期間中、それらが設定した病院地帯及び病院地区を相互に承認するための協定を締結することができる。このため、関係当事国は、必要と認める修正を加えて、この条約に附属する協定案の規定を実施することができる。 ③ 利益保護国及び赤十字国際委員会は、これらの病院地帯及び病院地区の設定及び承認を容易にするために仲介を行うよう勧誘される。 第四章 要員
第二十四条〔専従要員の保護〕傷者若しくは病者の捜索、収容、輸送若しくは治療又は疾病の予防にもっぱら従事する衛生要員、衛生部隊及び衛生施設の管理にもっぱら従事する職員並びに軍隊に随伴する宗教要員は、すべての場合において、尊重し、且つ、保護しなければならない。第二十五条〔補助衛生要員の保護〕必要が生じた場合に衛生兵、看護婦又は補助担架手として傷者及び病者の収容、輸送又は治療に当るために特別に訓練された軍隊の構成員も、これらの任務を遂行しつつある時に敵と接触し、又は敵国の権力内に陥るに至った場合には、同様に尊重し、且つ、保護しなければならない。第二十六条〔赤十字社及び救済団体の職員の保護〕各国赤十字社及びその他の篤志救済団体でその本国政府が正当に認めたものの職員のうち第二十四条に掲げる要員と同一の任務に当るものは、同条に掲げる要員と同一の地位に