◆ 辺野古で見たこと! (都高退教ニュース)
去年の暮、辺野古へ行き、12月13日(水)午前中座り込みをしていたら、11時頃「普天間第2小学校に米軍へりの窓枠のようなものが落ち、体育の授業中の子どもが怪我をしたらしい」と報告がありました。
高里鈴代さんが指揮をとっていた座り込みの場は険しい雰囲気になり、「またか!いい加減にしろ!」という声が出ました。私も生徒は大丈夫なのか?気がかりでした。こんな風に命が日常的に危険にさらされているのは、戦争と同じ状況だと思いました。
昼前にまたごぼう抜きが始まりました。高里さんは「こんな事故が起きた時でも座り込みを排除するのか!」と怒りをあらわにして抗議しましたが、あっさりごぼう抜きされました。
私も基地があるから県民の命の危険があり、事故が起きる!そのことに私たちは反対している。それなのに、砕石を積んだダンプカーを入れるために、何のためらいもなく日常業務でごぼう抜きする県警に怒りました。
県警の仕事は沖縄県民の命と安全を守ることではないのか?ということが全く無視されていました。
その日の朝8時過ぎに私たちが辺野古の現場に到着した時、そこには「ベテランズ フォー ピース」というアメリカ人元海兵隊の反戦兵士の人たちが10数人座り込んでいました。女性も男性も身体が大きくて、体力がありそうなので、今日ごぼう抜きするのは難しいかな?と少し楽観的に思いました。
ごぼう抜きが始まると彼らは激しく抵抗し、なかなか排除されません。私もその中の一人と手をつないでいましたが、私の手を握るその力の強さは痛いほどでした。
また一度排除されてもするっと囲みを突破し、トラックの下に潜り込んで、他の人も素早くトラックの前に寝てしまうのです。
私はごぼう抜きされて囲いの中で拘束されながら、彼らの素早い動きと抵抗に見とれていました。
しかしトラックの下に入った人が逮捕され、他の人も排除されました。
トラックが100台以上ゲートを入ると、拘束が解かれ、集会が始まります。
まず「ベテランズ フォー ピース」の人たちが前に立ち、一人ずつ発言しました。
その中の元海兵隊兵士が「海兵隊は日本に迷惑をかけてきた。日本人にしてきたことを謝りたい」と皆の前で膝をついて謝ったのです。
私は「アポロジャイズ」という言葉あたりから涙が出て、ひざまずいている彼に、思わず手を出し握手を求めてしまいました。「あなたが謝らなくてもいいよ」という気持ちでいっぱいでした。
かれらは加害者の側にいたけれど、やはり戦争の被害者で苦しんできたのだと思いました。
退役軍人で心を壊しアルコールや薬物にはしり、ホームレスになっている人が多いと聞いていたので、ベテランズの人たちも苦しみながら反戦・平和の運動をすることで、自分を取り戻し、生き延びてきたのかな?生きていてくれて本当に良かった!と思いました。
辺野古に行くと、毎日ドラマがあり、多様な人の姿が見えます。ここはダイバーシティの場です。
ごぼう抜きされるのは痛いけど消耗ではありません。むしろこの場にいられることが嬉しいと感じます。「また行こう!」と思って帰ってきました。(MF子)
『都高退教ニュース 92号』(2018年4月1日)
去年の暮、辺野古へ行き、12月13日(水)午前中座り込みをしていたら、11時頃「普天間第2小学校に米軍へりの窓枠のようなものが落ち、体育の授業中の子どもが怪我をしたらしい」と報告がありました。
高里鈴代さんが指揮をとっていた座り込みの場は険しい雰囲気になり、「またか!いい加減にしろ!」という声が出ました。私も生徒は大丈夫なのか?気がかりでした。こんな風に命が日常的に危険にさらされているのは、戦争と同じ状況だと思いました。
昼前にまたごぼう抜きが始まりました。高里さんは「こんな事故が起きた時でも座り込みを排除するのか!」と怒りをあらわにして抗議しましたが、あっさりごぼう抜きされました。
私も基地があるから県民の命の危険があり、事故が起きる!そのことに私たちは反対している。それなのに、砕石を積んだダンプカーを入れるために、何のためらいもなく日常業務でごぼう抜きする県警に怒りました。
県警の仕事は沖縄県民の命と安全を守ることではないのか?ということが全く無視されていました。
その日の朝8時過ぎに私たちが辺野古の現場に到着した時、そこには「ベテランズ フォー ピース」というアメリカ人元海兵隊の反戦兵士の人たちが10数人座り込んでいました。女性も男性も身体が大きくて、体力がありそうなので、今日ごぼう抜きするのは難しいかな?と少し楽観的に思いました。
ごぼう抜きが始まると彼らは激しく抵抗し、なかなか排除されません。私もその中の一人と手をつないでいましたが、私の手を握るその力の強さは痛いほどでした。
また一度排除されてもするっと囲みを突破し、トラックの下に潜り込んで、他の人も素早くトラックの前に寝てしまうのです。
私はごぼう抜きされて囲いの中で拘束されながら、彼らの素早い動きと抵抗に見とれていました。
しかしトラックの下に入った人が逮捕され、他の人も排除されました。
トラックが100台以上ゲートを入ると、拘束が解かれ、集会が始まります。
まず「ベテランズ フォー ピース」の人たちが前に立ち、一人ずつ発言しました。
その中の元海兵隊兵士が「海兵隊は日本に迷惑をかけてきた。日本人にしてきたことを謝りたい」と皆の前で膝をついて謝ったのです。
私は「アポロジャイズ」という言葉あたりから涙が出て、ひざまずいている彼に、思わず手を出し握手を求めてしまいました。「あなたが謝らなくてもいいよ」という気持ちでいっぱいでした。
かれらは加害者の側にいたけれど、やはり戦争の被害者で苦しんできたのだと思いました。
退役軍人で心を壊しアルコールや薬物にはしり、ホームレスになっている人が多いと聞いていたので、ベテランズの人たちも苦しみながら反戦・平和の運動をすることで、自分を取り戻し、生き延びてきたのかな?生きていてくれて本当に良かった!と思いました。
辺野古に行くと、毎日ドラマがあり、多様な人の姿が見えます。ここはダイバーシティの場です。
ごぼう抜きされるのは痛いけど消耗ではありません。むしろこの場にいられることが嬉しいと感じます。「また行こう!」と思って帰ってきました。(MF子)
『都高退教ニュース 92号』(2018年4月1日)