米軍ヘリ不時着
「被害なしは偶然」住宅まで130m
毎日新聞2018年1月6日 20時59分(最終更新 1月6日 21時06分)
伊計島東側の砂浜に不時着した米軍のUH1ヘリコプター=沖縄県うるま市で2018年1月6日、住民提供
また沖縄で米軍機が住民に不安の影を落とした。6日午後に米軍ヘリが砂浜に不時着した沖縄県うるま市の伊計島(いけいじま)。一番近い住宅までは約130メートルに迫っていた。島では1年前にも米軍ヘリが不時着している。のどかな島に響いた爆音に、住民からは「またか」「もうやめて」と悲痛な訴えが聞こえた。
現場近くに住む男性会社員(25)は午後4時ごろに、ヘリが低い高度で飛行していることに気づいた。慌てて見に行くと、自宅の目と鼻の先にヘリが不時着していた。島では昨年1月にも米軍ヘリが不時着したばかりだ。「前回は畑の方だったが、今回は集落に近い。不時着した付近の海は漁師の父が素潜りをしている場所だ。たまたま今日は自宅にいたが、父が漁をしていたらと思うと怖い。ぞっとする」と話した。
60代男性は島内をウオーキング中に「バラバラバラ」と異常な爆音を立てながら急降下してくるヘリを目撃した。「この浜は夏場なら観光客が多く、冬場の今でも時間帯によってはサーフィン客がいる。被害が出なかったのはたまたまだ。もうこんなことはやめてほしい」と憤った。
近くに住む病院職員の金城健さん(50)も「またかという感じ。前回に引き続く不時着なので、自治会にも状況確認をさせるように県警に申し入れをした」と話した。
現場では機体から約100メートルの距離に規制線が張られ、日没後も投光器で照らして米兵らが波打ち際にある機体を調べる様子が見られた。
<不時着 「予防着陸」と説明>
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■米軍ヘリ 沖縄 伊計島の砂浜に着陸
1月6日 20時37分
6日夕方、沖縄県うるま市の伊計島の砂浜に、アメリカ軍のヘリコプターが、警告灯が点灯したため着陸しました。けが人はいないということですが、沖縄では後を絶たないアメリカ軍の軍用機によるトラブルへの反発が強まっています。
6日午後4時ごろ、沖縄県うるま市の伊計島の東側の砂浜に、アメリカ海兵隊のUH1ヘリコプター1機が着陸しました。
現場は最も近い住宅から100メートルほどしか離れていませんが、警察や消防によりますと、住民や乗員4人の中にけが人はいないということです。
アメリカ軍関係者によりますと、この機体は普天間基地に配備されていて、アメリカ軍は沖縄防衛局に対し、「警告灯が点灯したため、予防的に着陸した」と説明しているということです。
伊計島の自治会の玉城正則会長はNHKの電話取材に対し、「アメリカ軍のヘリコプターがいつもと違う音を出していたので見ていたら高度を下げ始め海岸に降りて行った」と話していました。
伊計島では、去年1月にも普天間基地に配備されている海兵隊のAH1攻撃ヘリコプターが警告を示す計器が点灯したとして農道に着陸しています。
沖縄では、後を絶たないアメリカ軍の軍用機によるトラブルへの反発が強まっています。
米軍が回転翼取り外すなど作業
伊計島の砂浜では夜になって機体がライトで照らされ、アメリカ軍の関係者が後ろの回転翼を取り外すなどの作業を進める様子が確認できました。
UH1ヘリコプター
アメリカ軍のUH1ヘリコプターは人員や物資の輸送などに使われる多用途ヘリコプターで、沖縄県の普天間基地や東京の横田基地などに配備されています。
おととし2月には横田基地所属のUH1ヘリコプターが飛行中にエンジントラブルを起こし、東京・調布市にある調布飛行場に緊急着陸しています。
UH1ヘリ 去年はタイヤの落下事故も
人員の輸送などに使われるアメリカ海兵隊のUH1ヘリコプターは、沖縄ではアメリカ軍普天間基地に配備されています。
去年3月には、沖縄本島北部のアメリカ軍基地「キャンプハンセン」の民間地に近いヘリコプター発着場周辺で、訓練中につり下げていたタイヤを落下させる事故を起こしています。
後絶たない米軍機の事故
沖縄では、おととし12月に名護市の浅瀬でオスプレイが大破する事故が起きてからも、アメリカ軍の軍用機による事故やトラブルが20件以上起きています。
このうち、去年1月には、今回と同じ、うるま市の伊計島に普天間基地に配備されている攻撃ヘリコプターが不時着しました。
また、去年10月には、東村の民間の牧草地に大型ヘリコプターが緊急着陸し、炎上しました。
最近では、先月、宜野湾市の小学校のグラウンドに、普天間基地を離陸した大型ヘリコプターから重さ8キロ近い窓が落下する事故が起きています。
沖縄では、そのたびに、原因の究明や再発防止策の徹底を求める声が上がっていて、後を絶たない事故やトラブルへの反発が強まっています。
伊計島とは伊計島とは
伊計島は沖縄本島の東にある島で、那覇市の北東およそ40キロのところにあります。アメリカ軍普天間基地からは北東におよそ30キロの距離にあります。沖縄本島から橋を使って直接、行き来でき、海水浴場などがあります。
地元の人によりますと、現場は「東の浜」と呼ばれる海岸で遠浅の海が広がり、冬場のこの時期でもサーフィンや潮干狩りなどを楽しむ人が訪れるということです。
目撃した人「そのうち墜落するのでは」
当時の様子を目撃したという住民の男性は「いつもと違う大きなエンジン音がしたあと、アメリカ軍のヘリコプターが降下して行ったので、確認しようと、すぐに浜へ行った。浜では、アメリカ兵3人がエンジンの状態を確認しているようだった」と話していました。
そのうえで、男性は「そのうち墜落するのではないか。アメリカ軍のヘリコプターは事故が起きる可能性があり不安だ。アメリカ軍が沖縄にいることの是非を言える立場にはないが、静かな島に戻してもらいたい」と話していました。
外相「安全運航を申し入れたい」
河野外務大臣は、訪問先のモルディブで記者団に対し、「被害の情報は入ってきていないが、今、さまざま情報の収集をしているところだ。安全運航は、沖縄県民の安全もそうだし、実際にヘリを飛ばしている米軍にとっても大事なことだ。しっかりと安全運航できるよう心がけてもらいたいし、申し入れはしていきたい」と述べました。
県知事公室長「県民には大きな不信感」
沖縄県の謝花知事公室長は県庁で記者団に対し、「アメリカ軍の軍用機の整備に対し、県民は大きな不信感を持っている。アメリカはもっと真摯(しんし)に考えるべきだ。連休明けに、外務省と沖縄防衛局の担当者を呼んで厳重に抗議する」と述べました。
■伊計島に米軍ヘリが不時着
01月06日 17時49分
6日夕方、沖縄県うるま市の伊計島の海岸に、アメリカ軍のヘリコプター1機が不時着しました。
警察や消防によりますと、これまでにけが人がいるという情報は、入っていないということです。
6日午後4時半ごろ、沖縄県うるま市の伊計島に、「アメリカ軍のヘリコプターが不時着した」と警察や消防に通報がありました。
警察や消防が駆けつけたところ、伊計島の東側の海岸に、アメリカ軍のヘリコプターが着陸していて、午後5時すぎにNHKのヘリコプターから撮影した映像には、アメリカ海兵隊のUH1ヘリコプター1機とアメリカ軍関係者の姿が確認できました。
現場は、最も近い住宅から100メートルほどしか離れておらず、警察や消防によりますと、これまでにけが人がいるという情報は入っていないということです。
アメリカ軍の関係者によりますと、このヘリコプターは普天間基地配備の機体で、乗員にけが人はいないということです。
伊計島の自治会の玉城正則会長は、午後5時ごろNHKの電話取材に対し、「4時ごろアメリカ軍のヘリコプターがいつもと違う音を出していたので、見ていたら高度を下げはじめ、海岸に降りていった」と話していました。
伊計島では、去年1月にも普天間基地に配備されている海兵隊のAH1攻撃ヘリコプターが警告を示す計器が点灯したとして農道に不時着しています。
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■2018-01-06
6日午後4時ごろ、沖縄県うるま市の伊計島東側の砂浜に、米軍のUH1ヘリコプターが不時着した。乗員4人を含めけが人は確認されず、機体は大破していないという。県警や防衛省沖縄防衛局などが明らかにした。
沖縄タイムス 2018年1月6日
伊計自治会の玉城正則会長は同日午後4時ごろ、ヘリの不時着を確認したとし、「米軍ヘリ。米兵4人が乗っているのが見えた」と話した。
政府関係者によると、沖縄・伊計島に不時着した機体は、米軍のUH1ヘリコプターという。