菅官房長官が訪沖日程を隠匿 官邸が企む“翁長潰し”の手口
2017年12月28日
この年の瀬に、どんな“悪巧み”を考えているのか。
菅官房長官が29日、沖縄を訪問する予定だが、事前に日程が漏れないよう箝口令が敷かれているというのだ。
「沖縄では官房長官の来訪が半ば公然と広報されているので、東京の記者が官邸の担当者に問い合わせたところ、『正式に日程が公表されるまで外部に漏らすな』『勝手に記事にしたら訪沖は中止する』などと厳しく言われたそうです。恐らく年明けの名護市長選に関連する政務で訪沖するのでしょうが、なぜ、極秘扱いにするのか。辺野古移設で敵対する翁長知事を困らせる奇襲を考えているのかもしれません」(キー局政治部記者)
■年明け名護市長選が大一番
名護市長選は来年2月4日投開票。名護市では、政府が米軍普天間基地の移設を進める辺野古新基地が建設中だ。現職の稲嶺市長は、辺野古移設反対で沖縄県の翁長知事と歩調を合わせており、名護市長選には来年の知事選の前哨戦という側面もある。翁長知事を敵視する官邸にとって、絶対に負けられない選挙なのだ。
菅官房長官が29日、沖縄を訪問する予定だが、事前に日程が漏れないよう箝口令が敷かれているというのだ。
「沖縄では官房長官の来訪が半ば公然と広報されているので、東京の記者が官邸の担当者に問い合わせたところ、『正式に日程が公表されるまで外部に漏らすな』『勝手に記事にしたら訪沖は中止する』などと厳しく言われたそうです。恐らく年明けの名護市長選に関連する政務で訪沖するのでしょうが、なぜ、極秘扱いにするのか。辺野古移設で敵対する翁長知事を困らせる奇襲を考えているのかもしれません」(キー局政治部記者)
■年明け名護市長選が大一番
名護市長選は来年2月4日投開票。名護市では、政府が米軍普天間基地の移設を進める辺野古新基地が建設中だ。現職の稲嶺市長は、辺野古移設反対で沖縄県の翁長知事と歩調を合わせており、名護市長選には来年の知事選の前哨戦という側面もある。翁長知事を敵視する官邸にとって、絶対に負けられない選挙なのだ。
「稲嶺市長が3選出馬を表明し、自民が推す前市議との一騎打ちです。県本部が辺野古反対を掲げている公明党は、前回市長選は自主投票でしたが、官邸からの強い要請があり、今回は自民系の市議を推薦することに決めた。28日には政策協定書に調印するなど、急ピッチで協力体制を整えています。官房長官は29日に名護市を訪れる予定で、新基地周辺の久辺3区(久志、豊原、辺野古)の代表や、ヘリパッドがある高江区長との面談がセットされています」(沖縄県政関係者)
安倍官邸は、沖縄振興予算の減額で翁長知事に圧力をかけ、その一方で久辺3区長には、沖縄県と名護市をスッ飛ばして補助金を直接交付している。この措置を菅長官が表明したのは、昨年1月の宜野湾市長選の直前だった。
「露骨なアメとムチ」と批判されようが、勝つためには、どんなあくどい手段も使う。バラマキとドーカツで地元企業や組織も締め付け、普天間基地を擁する宜野湾市長に移設容認派を押し込むことに成功した。次は名護市というわけだ。今回は補助金の増額でも伝えるつもりか。
名護市長選で自民系が勝てば、翁長知事の再選にも黄信号がともる。年明け4日には二階幹事長と塩谷選対委員長も沖縄入りの予定。告示日には小泉進次郎氏が応援に入るという。選挙戦の先陣を切って名護市に入る菅長官が何を企んでいるのか、注視が必要だ。
安倍官邸は、沖縄振興予算の減額で翁長知事に圧力をかけ、その一方で久辺3区長には、沖縄県と名護市をスッ飛ばして補助金を直接交付している。この措置を菅長官が表明したのは、昨年1月の宜野湾市長選の直前だった。
「露骨なアメとムチ」と批判されようが、勝つためには、どんなあくどい手段も使う。バラマキとドーカツで地元企業や組織も締め付け、普天間基地を擁する宜野湾市長に移設容認派を押し込むことに成功した。次は名護市というわけだ。今回は補助金の増額でも伝えるつもりか。
名護市長選で自民系が勝てば、翁長知事の再選にも黄信号がともる。年明け4日には二階幹事長と塩谷選対委員長も沖縄入りの予定。告示日には小泉進次郎氏が応援に入るという。選挙戦の先陣を切って名護市に入る菅長官が何を企んでいるのか、注視が必要だ。
日刊ゲンダイ
■鶴保前沖縄北方相 米軍基地工事巡り業者から金銭授受疑惑
- 2017年11月18日
鶴保庸介・前沖縄北方担当相(50)に、沖縄の米軍基地建設工事への参入を狙う業者からの金銭授受疑惑が浮上した。
「しんぶん赤旗日曜版」(11月19日号)によると、昨年から今年にかけ、業者は鶴保氏の後援会長に1000万円超の資金を提供したという。
金銭授受を証言したのは鹿児島県の採石業者A社の代表。紙面には大臣室のイスに座ったA社代表と鶴保氏とのツーショット写真が掲載されている。鶴保氏が沖縄北方相に就任した直後の昨年8月に撮られたものだという。
■無届け政治団体の後援会長が仲介
記事によれば、A社は出資者のB社とともに鹿児島県の採石場の石を辺野古の米軍基地建設工事などに納入する計画を立てており、その後押しをしてくれる人として、鶴保氏の後援会「関西千年会」の会長を頼った。会長の名刺には鶴保氏の地元の和歌山県内の事務所の住所や電話番号が書かれていた。後援会は政治団体としての届け出はしていないという。
「しんぶん赤旗日曜版」(11月19日号)によると、昨年から今年にかけ、業者は鶴保氏の後援会長に1000万円超の資金を提供したという。
金銭授受を証言したのは鹿児島県の採石業者A社の代表。紙面には大臣室のイスに座ったA社代表と鶴保氏とのツーショット写真が掲載されている。鶴保氏が沖縄北方相に就任した直後の昨年8月に撮られたものだという。
■無届け政治団体の後援会長が仲介
記事によれば、A社は出資者のB社とともに鹿児島県の採石場の石を辺野古の米軍基地建設工事などに納入する計画を立てており、その後押しをしてくれる人として、鶴保氏の後援会「関西千年会」の会長を頼った。会長の名刺には鶴保氏の地元の和歌山県内の事務所の住所や電話番号が書かれていた。後援会は政治団体としての届け出はしていないという。
A社代表は後援会長から「自分が動くには1回10万円」などと報酬を要求され、鶴保氏と面会する際には“面会料”も要求された。そして後援会長は、「先に(金を)渡すと鶴保の機嫌がいいからさ」と言って、現金の入った封筒を持ち、先にひとりで大臣室に入ったという。A社代表らと鶴保氏の面会は少なくとも11回あり、面会料の総額は850万円に上るという。
昨年7月の参院選の際は、A社代表らは後援会長から鶴保氏の選挙の支援も要請された。鶴保氏の地元に40日間張り付き、一軒家を借り上げ、社員を動員。その費用や社員の給料の他、後援会メンバーの飲食費も負担したという。
また、A社代表らは鶴保氏と後援会長を飲食でも接待しており、昨年10月に六本木のガールズバーで接待した際は、鶴保氏は大臣在任中だった。大臣規範に抵触する可能性もあるという。
昨年7月の参院選の際は、A社代表らは後援会長から鶴保氏の選挙の支援も要請された。鶴保氏の地元に40日間張り付き、一軒家を借り上げ、社員を動員。その費用や社員の給料の他、後援会メンバーの飲食費も負担したという。
また、A社代表らは鶴保氏と後援会長を飲食でも接待しており、昨年10月に六本木のガールズバーで接待した際は、鶴保氏は大臣在任中だった。大臣規範に抵触する可能性もあるという。
この記事について鶴保氏の事務所に確認すると、「話が多岐にわたっているので、週末に精査して、来週半ばに見解を出す方針です」とコメントした。
政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授はこう言う。
「記事の内容が事実だとすると、政治団体としての届け出をしていない後援会がお金の出し入れをしているのは問題。政治資金規正法に違反します。後援会のこうした行為に鶴保事務所も関係していれば共謀の疑いもあり、説明責任が求められます。選挙で業者が後援会メンバーや地元有権者の飲食費を負担していれば、公職選挙法の買収にも抵触します」
政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授はこう言う。
「記事の内容が事実だとすると、政治団体としての届け出をしていない後援会がお金の出し入れをしているのは問題。政治資金規正法に違反します。後援会のこうした行為に鶴保事務所も関係していれば共謀の疑いもあり、説明責任が求められます。選挙で業者が後援会メンバーや地元有権者の飲食費を負担していれば、公職選挙法の買収にも抵触します」