◆ 教員の過剰労働で公開講座 (週刊新社会)
日教組のシンクタンク・教育文化総合研究所(所長=池田賢市中央大学教授)などは11月20日、東京都内で「教員の働き方」を問う公開講座を開催した。
講師の広瀬義徳関西大教授は、「職務継続意欲減退や過労死増を招く教員の加重労働」の原因に、以下の5点を挙げた。
①「子どものため長く働くのが立派。定刻退勤はNG」という従前の「集団圧力系ワーカホリックー=仕事中毒」、
②若手教員は自分の思い・夢の実現を子どもに託す「自己実現系ワーカホリック」を①と併存、
③「子どものため」という自己規制が過剰労働に主体的に適合、
④教育財政の問題(中曽根内閣後の行革・減量路線で教員配置が不十分、教員管理統制も厳格化)、
⑤学校管理職の杜撰な組織マネジメント。
このうち④に関し、参加者が「文科省・都教委の"君が代"強制や上意下達の組織化は教員の自尊感情・やりがいを奪う」と発言。
広瀬さんは「全国の小学校の半分が小規模化=1学年1学級。ピラミッド型体制化は無理がある」と答えた。
また広瀬さんと池田さんは、「国旗国歌”指導”をはじめ、様々な施策を無批判的に受容し、その統制的側面に気付かない若手教員が増えている」と述べた。
⑤に関し、2人目の講師・四方利明立命館大教授は、調査した「7時30分出勤、20時~22時退勤。土日も部活」という23歳の県立高・男性教諭が着任時、校長から「弟がサッカーしてた。お前もその血が流れてるやろ」とのこじつけの理由で、未経験のサッカー部顧間を命じられた、という実話を紹介。
四方さんは一方で、多忙化ですぐキレていた教諭が、定刻に退動し読書など自分の時間を持てるよう改めると、生徒に寄り添う指導ができるよう変化した話もし、心のゆとりの大切さを語った。
『週刊新社会』(2017年12月19日)
永野厚男(教育法研究家)
日教組のシンクタンク・教育文化総合研究所(所長=池田賢市中央大学教授)などは11月20日、東京都内で「教員の働き方」を問う公開講座を開催した。
講師の広瀬義徳関西大教授は、「職務継続意欲減退や過労死増を招く教員の加重労働」の原因に、以下の5点を挙げた。
①「子どものため長く働くのが立派。定刻退勤はNG」という従前の「集団圧力系ワーカホリックー=仕事中毒」、
②若手教員は自分の思い・夢の実現を子どもに託す「自己実現系ワーカホリック」を①と併存、
③「子どものため」という自己規制が過剰労働に主体的に適合、
④教育財政の問題(中曽根内閣後の行革・減量路線で教員配置が不十分、教員管理統制も厳格化)、
⑤学校管理職の杜撰な組織マネジメント。
このうち④に関し、参加者が「文科省・都教委の"君が代"強制や上意下達の組織化は教員の自尊感情・やりがいを奪う」と発言。
広瀬さんは「全国の小学校の半分が小規模化=1学年1学級。ピラミッド型体制化は無理がある」と答えた。
また広瀬さんと池田さんは、「国旗国歌”指導”をはじめ、様々な施策を無批判的に受容し、その統制的側面に気付かない若手教員が増えている」と述べた。
⑤に関し、2人目の講師・四方利明立命館大教授は、調査した「7時30分出勤、20時~22時退勤。土日も部活」という23歳の県立高・男性教諭が着任時、校長から「弟がサッカーしてた。お前もその血が流れてるやろ」とのこじつけの理由で、未経験のサッカー部顧間を命じられた、という実話を紹介。
四方さんは一方で、多忙化ですぐキレていた教諭が、定刻に退動し読書など自分の時間を持てるよう改めると、生徒に寄り添う指導ができるよう変化した話もし、心のゆとりの大切さを語った。
『週刊新社会』(2017年12月19日)