プロジェクトピースナイン

 

2017.12.14

 
 言論・表現の自由を守る会垣内つね子事務局長は、記者会見を終えたグテレス事務総長と中満軍縮担当上級代表ピースナイン声明11・1外務省作成パンフ「世界人権宣言と国際人権規約」、日弁連リーフレット「個人通報制度に道を開こう」を手渡しました。
 北朝鮮との対話の道を開き人間の安全保障を実現するためには、日本政府が批准済みの人権条約に備わっている全個人通報制度批准し、法の支配実現することが不可欠であり、ただちに閣議決定することが最も重要であリ、即実現することによって拷問等禁止条約の個人通報制度批准手続きはその日のうちに完了するため、日本政府に全個人通報制度批准を閣議決定促す働きかけを要請しました

 

 

アントニオ・グテレス 国連事務総長 会見  2017.12.14

António Guterres, Secretary-General of the United Nations
 

 グテレス事務総長は日本記者クラブでの会見を行いました。

 中満泉・軍縮担当上級代表(事務次長)も同行し参加しました。
持続可能な開発、人間の安全保障、
 
あらゆる安保理決議を実施しなければならない。
その目的は、北朝鮮の非核化である。
それは平和裏に、
誤解、誤認、誤った計算によって、知らず知らずに戦争になることを予防しなければならない、
 
「いつの間にか対北戦争に突入することのないように」
「夢遊病のように紛争に突入することを避けなければならない」
私たちの努力の目的は、朝鮮半島の非核化を実現すること。
それは外交努力を通じて達成しなければならない。
 
全ての安保理の決議は履行されなければならない。
 
紛争の予防と紛争の解決
 
 
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司会    杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員 (共同通信)
 

会見リポート

北朝鮮情勢 答えを急ぐべきでない
 このクラブでの会見は8回目、外国要人としては最多になるらしい。ただ過去7回は国連難民高等弁務官時代であり、国連事務総長としては初の会見になった。
 
 国連事務次長が北朝鮮を訪問し、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都に認定した直後の会見となり、メディアの関心は高く、いつもより現役記者が目立った。
 
 国連改革や人間の安全保障、気候変動。事務総長が言及したテーマは多方面に及んだが、会場の関心は北朝鮮情勢にあった。会場からの質問に事務総長はこの問題が喫緊の課題であり、「夢遊病者のようにずるずると紛争に入ってはならない」と強調した。また、「目標は平和的に朝鮮半島を非核化すること」としつこいほど繰り返し、「この目的のため有用だと思ったら、どこにでも出かけて行く」と語った。
 
 この発言を聞いたとき1998年2月のコフィ・アナン事務総長によるバグダッド訪問を思い出した。米英がイラク空爆を計画する中、アナン氏はサダム・フセイン大統領と直談判し一時的ではあれ緊張緩和につなげた。国連の成功体験である。グテレス事務総長の最初の1年は、朝鮮半島情勢への対処の年となった。もしも事務総長が北朝鮮を訪問することになれば、久しぶりに国連が存在感を発揮することとなるだろう。
 
 事務総長は会見の最後、ブラジルのタンクレード・ネーベス氏の言葉を紹介した。ネーベスは大統領に選ばれたものの就任前の1985年、惜しまれながら亡くなった政治家である。「彼は政治家に必要なことを聞かれ、こう答えました。『忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐、忍耐』」。北朝鮮問題は喫緊の課題ではあるが結論を急ぐべきでない。事務総長のメッセージは鮮明だった。
 

毎日新聞社外信部長   小倉 孝保
2017‐12-14‐20:57:00