東レ榊原氏社長時代から改竄
2017年11月28日 23時23分 時事通信

子会社によるタイヤ素材などの品質データ改ざんが発覚し、記者会見で頭を下げる東レの日覚昭広社長(左端)。右端は「東レハイブリッドコード」の鈴木信博社長=28日午前、東京都中央区
東レは28日、子会社の「東レハイブリッドコード」(愛知県西尾市)がタイヤ素材などの品質データを改ざんしていたと発表した。2016年7月に不正を把握しながら、1年4カ月も公表していなかった。経団連の榊原定征会長は東レ前社長(現相談役)で、不正行為は社長在任中に始まった。データの改ざんが経団連会長の会社でも発覚したことで、日本企業の品質管理への信頼低下につながる恐れがありそうだ。
子会社で改ざんが行われていたのは08年4月~16年7月。この期間の品質保証室長2人が、納入先と合意した規格に適合するよう、顧客に無断で検査データを書き換えていた。不正はタイヤメーカーなど13社に対し、149件に上った。経済産業省は報告を受け、事実関係の究明や顧客への適切な対応、再発防止策などを東レに指示した。
日覚昭広社長は28日、東京都内の本社で記者会見し、「大変なご迷惑と心配をおかけし、誠に申し訳ない」と陳謝。法令違反や安全上の問題が生じていないとして、当初は改ざんを公表する考えがなかったという。ただ、今月に入りインターネット上に不正行為に関する書き込みが出たことなどから、「正確な内容を公表すべきだと考えた」と釈明した。
自身の進退を含めた経営責任に関しては、「これらの及ぼす結果や(調査)内容が全て決まり次第、検討する」と明言を避けた。02年から10年まで社長を務めた経団連会長の榊原氏には27日に問題を報告し、適切な対応を取るよう指示されたという。
東レは不正行為の把握後、16年10月に品質保証室長を交代させ、複数で検査成績書をチェックするなど再発防止策を講じたと説明している。
東レは27日付で外部有識者を含む調査委員会を立ち上げ、年内をめどに報告書をまとめる方針。グループ全体に不正行為がないかについても調査を進めており、日覚社長は「全容が解明され次第、関係者の処分を決定する」と述べた。
◇東レ社長会見のポイント
一、子会社「東レハイブリッドコード」で、納入先と合意した規格に適合するようデータ改ざん
一、タイヤメーカーなど13社への納入品で149件の不正
一、不正期間は2008~16年で、16年7月に発覚
一、インターネット上に書き込みがあったため公表すると判断
一、法令違反と安全上の問題がなく、公表が必要な事案と考えていなかった
一、進退は調査内容と影響の判明後に検討
一、調査委員会を設置しており年内に報告書
一、榊原経団連会長には27日に報告。
子会社で改ざんが行われていたのは08年4月~16年7月。この期間の品質保証室長2人が、納入先と合意した規格に適合するよう、顧客に無断で検査データを書き換えていた。不正はタイヤメーカーなど13社に対し、149件に上った。経済産業省は報告を受け、事実関係の究明や顧客への適切な対応、再発防止策などを東レに指示した。
日覚昭広社長は28日、東京都内の本社で記者会見し、「大変なご迷惑と心配をおかけし、誠に申し訳ない」と陳謝。法令違反や安全上の問題が生じていないとして、当初は改ざんを公表する考えがなかったという。ただ、今月に入りインターネット上に不正行為に関する書き込みが出たことなどから、「正確な内容を公表すべきだと考えた」と釈明した。
自身の進退を含めた経営責任に関しては、「これらの及ぼす結果や(調査)内容が全て決まり次第、検討する」と明言を避けた。02年から10年まで社長を務めた経団連会長の榊原氏には27日に問題を報告し、適切な対応を取るよう指示されたという。
東レは不正行為の把握後、16年10月に品質保証室長を交代させ、複数で検査成績書をチェックするなど再発防止策を講じたと説明している。
東レは27日付で外部有識者を含む調査委員会を立ち上げ、年内をめどに報告書をまとめる方針。グループ全体に不正行為がないかについても調査を進めており、日覚社長は「全容が解明され次第、関係者の処分を決定する」と述べた。
◇東レ社長会見のポイント
一、子会社「東レハイブリッドコード」で、納入先と合意した規格に適合するようデータ改ざん
一、タイヤメーカーなど13社への納入品で149件の不正
一、不正期間は2008~16年で、16年7月に発覚
一、インターネット上に書き込みがあったため公表すると判断
一、法令違反と安全上の問題がなく、公表が必要な事案と考えていなかった
一、進退は調査内容と影響の判明後に検討
一、調査委員会を設置しており年内に報告書
一、榊原経団連会長には27日に報告。
経団連会長お膝元でも 意識の低さ露呈
10月の神戸製鋼所に端を発した品質検査データの改ざんは、三菱マテリアルに続き、現職経団連会長をしている東レにも及んだ。日産自動車、SUBARU(スバル)の新車完成検査の不正も合わせ、一連の不祥事は不正への意識の低さを浮き彫りにする。
検査データを改ざんしていた東レ子会社、東レハイブリッドコードの鈴木信博社長は28日の記者会見で、「(実際に測定した数字は)規格値から僅差であり、異常なレベルではないとの勝手な解釈からデータの書き換えが行われた」と不正の原因を述べた。