ドナルド・トランプあなたをイギリスでは歓迎しない
イギリス労働組合会議(TUC)書記長が大会で宣言
金融・労働研究ネットワーク
田中均
安倍政権は大歓迎で大わらわトランプ米大統領の来日が報じられています。
天皇皇后両陛下との会見も予定されていて、菅官房長官は、「日米同盟の強固な絆をあらため 世界に示す絶好の機会だ」と、強調したとのこと。
主要国首脳が対話による緊張緩和を訴える中で、北朝鮮への軍事的対決姿勢をひたすら増大するアメリカに盲従し、「トランプのポチ」とまで言われてしまう安倍総理。
「忠犬ポチ公」の面目躍如というべきか。
アメリカ国内ではロシア疑惑やトランプ氏自身の過去のセクハラが繰り返し問題とされ、イスラム教国などからの入国禁止令は相次いで執行停止になりボロボロのトランプ様にすり寄って「日米同盟の強固な絆をあらためて世界に示す絶好の機会だ」といってしまうのが、本当に日本の国民の安全と誇りを守ることになるかどうかは甚だ疑問です。
憲法無視・違反の強行と行政の私物化で支持率低下を、北朝鮮の軍事的挑発への国民の不安に便乗した抜き打ち解散・総選挙で、転がり込んだ予想外の大勝利に「自民党の勝利は北朝鮮のおかげもある」と高笑いするのを見ると疑問はさらに深まります。
イギリス公式訪問は延期に国民的批判の広がりでところでトランプ氏の訪問に、ほかの国の労働運動はどう対応しているか。
イギリスではメイ首相が1月に訪米し、トランプ大統領に年内にイギリスを公式訪問するように招待しました。これに対してイギリスでは急遽首相官邸に抗議デモが行われ1月31日までだけで160万人を超える反対署名が集まっています。
その後どうなったか。
英紙ガーディアン電子版は、7月11日付でトランプ氏が6月にメイ首相に「大規模な抗議行動が行われるなら、英国への公式訪問は行わない」と電話で話したと報じています。
トランプ氏の公式訪問招待はイギリスで批判が広がり、サディク・カーンロンドン市長はイギリス政府に招待をキャンセルするように要求し、グローバル・ジャスティス・ナウのディレクターでストップ・トランプ連合のニック・デアデン氏は「我々はトランプがいつ英国に来ても抗議行動を展開する準備ができている」とガーディアン紙に語っています。
労働組合のナショナルセンターTUC(イギリス労働組合会議)は9月に第149回大会を開催しています。その中でフランシス・オグレイディ書記長はトランプ大統領のイギリス訪問について次のように発言しています。
「アメリカ合衆国大統領は地域で抗議行動を繰り広げる人々と、市中で略奪行動を行うネオファシストを同じように悪と考えているようです。大会参加者の皆さん、間違えてはいけません。私たちは反ユダヤ主義者、女性を憎悪する人々、白人至上主義の暴漢集団を非難します。
もしもトランプが我が国に足を踏み入れるなら、TUCは誇りをもって平和的に抗議行動を行います。
そして『ドナルド・トランプ、イギリスであなたは歓迎されない』とメッセージを送りましょう」(TUCホームページから。日本語訳は田中)。
ガーディアン紙は10月20日付電子版で、トランプ大統領の英国公式訪問が2018年までは実現しないことを確認したと報じました。同記事ではホワイトハウスのサンダース報道官の「我々は公式訪問が来年になると期待しているが、現時点では細部はなにも決まっていない」とするコメントを報じています。
海外レポート トランプのイギリス訪問延期
2017年11月1日up
金融労働研究ネットワークhttp://www.leaf-line.jp/~iflj/