毎日新聞2017年10月7日
千葉大医学部付属病院(千葉市中央区)で8~9月、死亡した入院患者4人から抗生物質が効きにくい「多剤耐性緑膿(りょくのう)菌」が検出された。病院は9月15日に「院内感染の疑いがある」と市保健所に報告したが、約3週間公表していなかった。外部から指摘を受け、5日午後6時ごろ、ホームページに事案の概要を掲載したのみで、記者会見は開いていない。同病院の情報開示の在り方に、来院者から不安の声が上がった。
同病院などによると、4人は病棟の同一フロアに入院中、容体が悪化。便やたんを検査したところ、菌が検出された。ほかの患者から検出されたとの情報はないという。
多剤耐性緑膿菌は、免疫力が低下した人が感染すると死亡する恐れがある。事案の公表を控えた理由について同病院は「院内感染かどうかの確認が取れた後、家族の了承を得て公表する予定だった」と説明。4人の性別や年齢は「家族への説明が済んでいない」として明らかにしていない。
頻繁に同病院を訪れる山武市の70代女性は「ホームページは見ない。もっと早く教えてもらいたかった」と話した。病院は6日午後、事案の概要を出入り口付近に掲示した。