内閣人事局(2014年)設置により、各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。

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官僚が官邸の顔色見て仕事  福田元首相 安倍政権批判
   
東京新聞 2017年8月3日 朝刊

 福田康夫元首相は二日、東京都内で共同通信のインタビューに応じ、学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設計画や「森友学園」への国有地払い下げなどを踏まえ、安倍政権下の「政と官」の関係を批判した。「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」と述べた。二〇一四年に発足した内閣人事局に関し「政治家が人事をやってはいけない。安倍内閣最大の失敗だ」との認識を示した。
 中央省庁の公務員の姿勢について「官邸の言うことを聞こうと、忖度(そんたく)以上のことをしようとして、すり寄る人もいる。能力のない人が偉くなっており、むちゃくちゃだ」と指摘。「自民党がつぶれる時は、役所も一緒につぶれる。自殺行為だ」とも述べた。
 安倍晋三首相が三日に実施する内閣改造・自民党役員人事では「過去四年間の実績評価に対応し、外交や経済、財政などの山積する問題を克服する体質になるかどうかが問われる」と注文を付けた。
 首相の政権運営について、安定政権ではないとの見方を示した上で「(自民党内に)競争相手がいなかっただけだ。(脅かすような)野党もいないし、非常に恵まれている状況だ」と強調。同時に「そういう時に役人まで動員して、政権維持に当たらせてはいけない」とくぎを刺した。
 安倍政権が設置した内閣人事局は、各省庁の幹部人事を一元管理。現在は萩生田(はぎうだ)光一官房副長官が局長を務めている。