「なかったことにできない」=元事務方トップ、異例の会見―加計学園問題 時事通信 5/25(木)

加計学園の獣医学部新設をめぐる文書問題は、存在について否定的な見解を繰り返す政府に対し、今年1月まで文部科学省の事務方トップを務めた前川喜平前事務次官が反論会見を開く異例の展開になった。

前川氏は25日、「あったものをなかったことにはできない」と強調した。   会見場には報道陣が大勢詰め掛け、室温が上昇。前川氏は落ち着いた様子で淡々と語りながらも、時折眼鏡を外し、ハンカチで汗を拭った。

文科省の内部調査で「文書の存在が確認できなかった」とされ、「大変残念な思いを抱いた」と批判。一方、関係する職員については「規制緩和で本来赤信号のところを青にさせられ、その経緯を示す文書もなかったことにするという、黒を白にしろと言われているようなもので、本当に気の毒だ」と気遣う言葉も口にした。

総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」との記載について、内閣府の藤原豊・地方創生推進事務局審議官は国会答弁で「内閣府として申し上げたことは一切ない」と全面否定しているが、前川氏は「私の部下だった専門教育課の職員が、藤原さんがおっしゃったことを書き留めたと100%信じられる」と力を込めた。