◆ 【今治発・アベ疑獄】36億円の市有地を首相のお友達学園に無償譲渡 (田中龍作ジャーナル)

 安倍晋三記念小学校は一大疑獄事件の序章に過ぎなかった ―

 愛媛県今治市が36億7,500万円の土地(16・8ha)を学校法人・加計学園(岡山理科大学・獣医学部、応用生命科学部)に無償譲渡するというのである。森友学園の8億円値引きなんて可愛いものだ。
 加計学園の加計孝太郎理事長は、安倍晋三氏の米国留学時から友人で、卒業後も頻繁にゴルフや食事を共に楽しむ。首相にとってはお友だち中のお友だちである。

 無償譲渡は3日の今治市議会で承認される見通しだ。市民の血税で取得、開発した土地なのだが、市民の知らぬ間に私立の学校が作られることになる。
 土地ばかりではない。校舎やグラウンドなどの建設費用240億円のうち半分を今治市が負担する。これも3日の今治市議会で承認される見込みだ。田中は急きょ今治に飛んだ。


 まず加計学園の誘致をめぐる展開の速さに驚いた。今治市議会に明らかにされたのが昨年11月。翌12月、用地購入の議会上程があり、同月下旬、可決された。
 そして3日、無償譲渡が正式に決まる。起工式は今月20日の予定だ。

 事が猛烈なスピードで進んだのには理由があった。
 今治市議会関係者によると、内閣府からの強い催促があった。「来年(2018年)4月に開校しなければ今治市の国家戦略特区を取り消す」と脅されたという。

 国家戦略特区を利用してさまざまな事業を展開しよう、という目論見が今治市にはあった。
 総工費280億円からのキックバックという甘い蜜に政治家たちが群がった。今治市議会(定数32議席)で加計学園の誘致に反対しているのは、わずか数名だ。
 学校の建設用地はタダで入手する。建物は補助金でまかなう。学生が集まるかは不透明だが、急いで開校しようとする。

 日本会議のHPによれば、今治市は「憲法改正早期実現意見書」を採択した愛媛県内の3市のうちの一つである。
 また、今治の市民運動家によれば、今治市は育鵬社の教科書を使用していた(反対運動が起こり、今は別の教科書会社を採用している)。

 学校建設は周辺住民に知らされず、首長と国とでこっそり進められる。学校の理事長または、首長が右翼的思想を持ち、安倍首相と共鳴している・・・

 森友学園のスキームと今治市の大学建設事案は外見が驚くほど酷似する。そしてスケールはさらに大きくなった。

  ~終わり~
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『田中龍作ジャーナル』(2017年3月/日)
http://tanakaryusaku.jp/2017/03/00015446

 ※関連記事
 ◆ 安倍首相に“第二の森友学園”疑惑! 親友が経営、昭恵夫人が名誉園長の学校法人に特区指定、37億の土地がタダに(リテラ)
http://www.asyura2.com/17/senkyo221/msg/629.html


自治体から土地とカネをアベ友学校が巻き上げる  Ⅹその他
 ◆ 【今治発・アベ疑獄】無償譲渡の市有地を加計学園に「担保としてご活用頂く」のお人よし (田中龍作ジャーナル)

http://wind.ap.teacup.com/people/timg/middle_1488621244.jpg
アベ友学園への市有地献上に前のめりになる菅市長。
 =3日、今治市議会 撮影:筆者=

 議案は市議会の会期初日に先議となった。常軌を逸してまで急いで可決しなければならない事情があったからだ。
 移転登記して今月20日には工事を着工し、来年2月下旬には竣工、4月に必ず開学させなければ国家戦略特区から外される・・・期日を逆算して議会日程が組まれたのである。

 午後4時過ぎ、議長の声が響いた。「起立多数と認めます。よって原案の通り可決されました」
 36億7,500万円の市有地が加計学園・岡山理科大学(獣医学部など)に譲渡されることが決まった瞬間だ。加計学園の加計孝太郎理事長は安倍首相のお友だち中のお友だちである。


 今治市議会はこのほか、校舎をはじめキャンパスの建設費の半分(=64億円)を負担することも決めた。学校側にとって至れり尽くせり・・・市民の血税が大量に投入される議題は、あっけないくらい簡単に承認されてしまった。

 今日の本会議ではさすがに2名の議員が質問に立った。2議員からは決定の拙速さや、事業の継続性などに対する疑問が呈された。

 近藤博議員(自民党系反市長派)は「スケジュールのみが先走りしている。財政が悪い中で大変不安を感じる」と述べた。

 市側の説明は楽観的過ぎて失笑を禁じえなかった。「地域振興に役立つ。消費が旺盛な若年層が来る。国際学会が開かれる・・・・」。

 近藤議員が続けた。「大学が資金調達のため(土地を)担保設定することを認めるか?」

 企画財政部長の答弁には思わず耳を疑った。「安定的資金調達のため担保物件としてご活用頂く」。
 どうぞ抵当に入れて下さいとは、なんと気前がよいことか。
 お人よしにもほどがある。譲渡である以上、大学が破たんしても、市には何も帰ってこないのである。

 菅良二市長は「大学誘致は40年来の悲願。人口増の起爆剤になる」と無償譲渡の効果を強調した。日本獣医師会が反対する獣医学部新設は、国がムリヤリ主導すべきことなのだろうか。

 官邸主導のトップダウンで決まる「国家戦略特区」下での大学誘致。民間資本を活用するかのように見えてその実は、自治体から土地とカネをアベ友学校が巻き上げる

 特区決定から開学までわずか1~2年と急がせるのは、自治体にも市民にも考える隙を与えないためだろうか。

 有識者会議のメンバーにあの竹中平蔵先生がいることも、アベ友以外に留意すべき点かもしれない。

  ~終わり~
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『田中龍作ジャーナル』(2017年3月4日)
http://tanakaryusaku.jp/2017/03/00015464



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