報道によると、埼玉県三芳町上富の通販会社「アスクル」の物流倉庫で16日に起きた火災は、20日夜も延焼が続き、内部が高温で、爆発も発生し、鎮火のめどは立っていないという。
19日未明には3階南東側で2度の爆発がありスプレー缶に引火したとみられるとのこと。
倉庫内の温度が下がったことなどから、消防は20日早朝から屋内での消火活動を始めたものの、午後0時45分ごろに「ドン、ドン」と数回破裂音がし、屋内での活動を一時中断し、これまでに、延べ床面積約7万平方メートルの6割を超す約4万5千平方メートルが焼けたとも。
さらに、入間東部地区消防組合などによると、2、3階には窓や出入り口がほとんどなく、内部の温度は一時約500度に達し、屋上のソーラーパネルにも燃え広がり、建物が崩落する恐れもあり、消火活動が難航しているという。
NHKは、消火活動に当たっている消防隊員のみなさんの安全と、地域住民のみなさんの避難、健康被害等に関するニュースを報道すべきです。
建物の防災・耐火構造そのものの重大な欠陥があるのではないでしょうか。
ネット物流・規制緩和の落とし穴、企業と政府と当該地方行政による人災ではないでしょうか。
20日から21日現在、猛烈な強風が吹き荒れています。
毒ガスマスク等消防隊員及び関係者には配布されているのでしょうか?
糸魚川大火の教訓を生かし、消防庁主導で、自衛隊に出動を求め、政府がじもとじちたいとともに総力を挙げ、一刻も早く鎮火させるべきです。
アスクル、決算発表を延期 物流拠点鎮火せず
- 2017/2/20 19:12
ネット通販大手アスクルは20日夕、来月16日に予定していた2017年5月期第3四半期の決算発表を延期すると発表した。現時点での発表日は未定。同社の中核の物流拠点の火災は、発生から4日あまり経過した20日午後時点でも鎮火していない。ネット通販では配送の遅れが続き、株価にも影響が出ている。
火災が発生した「アスクルロジパーク首都圏」(埼玉県三芳町)は、同社の7つある物流拠点の中でも中核的な存在だ。通販で扱う食品や日用品、大型雑貨などを保管している。少なくとも4万5000平方メートルが延焼した。横浜市など別の拠点からの代替配送を進めているが、消費者向けの「ロハコ」では一部地域で最大2日配送が遅れる状況だ。
市場では火災の影響を見極めたいとの声が広がっている。アスクルの株価は20日終値で火災発生前の15日終値比8.7%安の3315円だった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏は「会社がどのように対応を進めるかも焦点になる」とみている。
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埼玉県三芳町の事務用品通販アスクルの物流倉庫火災は20日、地元消防が建物内で本格的な消火作業に当たったが、破裂音がして屋外に一時退避するなど安全を確認しながらの活動が続いた。倉庫には窓などの開口部が少ないため作業は難航。24時間態勢で外からの放水を続けている。
火災は16日午前に発生。内部温度が下がった20日朝から、建物内での消火作業に着手していた。
〔共同〕
NHKNEWS 2月20日19時00分
アスクル倉庫火災 再び爆発 消火活動難航 鎮火めど立たず
オフィス用品の通販大手「アスクル」の埼玉県三芳町にある物流倉庫で起きた火災は、出火から4日がたちました。20日からは消防隊員が倉庫内に入って消火活動を行っていますが、午後に再び小さな爆発が起きたうえ、保管されているコピー用品など大量の商品が燃えているため、どこで火がくすぶっているのかわかりにくくなっていて、消火活動は難航しています。
埼玉県三芳町上富にあるオフィス用品の通販大手「アスクル」の3階建ての物流倉庫で起きた火災は、今月16日の出火から4日がたちました。消防によりますと、のべ床面積およそ7万2000平方メートルのうち、これまでに東京ドームとほぼ同じ広さの4万5000平方メートルが焼けたということです。
消防が、20日朝、倉庫内を調べたところ、火は上がっていませんが、2階と3階のところどころで白煙が上がっていて、消防隊員が空気を補給できる特殊な機材を持ち込んで消火作業にあたっていました。
しかし、午後1時前に3階の南東側で再び小さな爆発が起き、消防隊員が一時、外に避難しました。さらに倉庫内は広く、保管されていたコピー用紙など大量の商品が燃えているため、どこで火がくすぶっているのかわかりにくくなっていて、消火活動は難航しています。消防は、引き続き安全を確認しながら慎重に消火活動を続けています。
鎮火のめどは立っていない
アスクルの物流倉庫の火災で消火活動にあたっている入間東部地区消防組合西消防署の柿島勝巳署長は、20日、現場で取材陣に対し、「徐々に火が収まっている状況にあると思われ、消防隊員が様子を確認しながら内部に進入して消火活動にあたっている」と現在の状況を説明しました。
そのうえで、「鎮火のめどは立っていない。近隣の消防の応援をもらいながら、全力で消火活動にあたりたい」と話していました。
倉庫内部の状況は
アスクルによりますと、火災が起きた倉庫は3階建てで、延べ床面積はおよそ7万2000平方メートルあり、コピー用紙や文房具など、およそ7万種類の商品を保管していたということです。1階に通用口があり、トラックが商品の積み込みなどを行うスペースが広く取られていて、商品の大半は2階と3階に保管されていました。
消防が火災を覚知したのは、今月16日の午前9時すぎで、「1階の段ボールから火が出た」という通報でした。消防によりますと、消火活動が始まったあと、早い段階で1階と2階の天井の一部が崩れ落ち、火は建物全体に燃え広がりました。さらに、屋上に敷き詰められていたソーラーパネルにも引火したということです。
消火活動は、2階と3階に窓がほとんどないことから、外からしか放水できず、難航しています。
消防は、火災の翌日から、重機で2階と3階に穴を開けて、内部への放水を始めました。そして、18日の夜には、いったん2階部分の火を消し止めることができたということです。
しかし、19日の午前0時13分と15分に、3階の南東部分で、保管されていたスプレー缶に引火したと見られる2度の爆発があり、再び火が強まりました。その結果、これまでに全体の6割以上にあたる、4万5000平方メートルが焼けたということです。
消火活動が長期化している理由について、消防は、建物の2階と3階には窓がほとんどなく、外からの放水が難しく、屋上にはソーラーパネルがあり、水をかけると、消防隊員が感電するおそれがあるため、直接、放水することができませんでした。さらに建物の中の温度が一時、500度に達し、熱で壁がゆがむなど倒壊のおそれもあり、慎重に活動する必要があったとしています。
倉庫火災 激しく燃え広がりやすい
物流倉庫で起きた火災で消火活動が長引いている背景について、火災のメカニズムや防火対策に詳しい早稲田大学創造理工学部の長谷見雄二教授は「倉庫には段ボールなどの可燃物が多く、一度、火がつくと激しく燃え広がりやすい。一方で、窓が少ないため、火元に直接、放水しにくく、消火活動が難しい。火の広がりを防ぐ壁やシャッターも倉庫内には少ないため、初期消火ができないと一気に火が燃え広がり、鎮火までの時間がかかる」と指摘しました。
そのうえで、「大規模な倉庫火災は普通の消防力では対応が難しいため、周辺自治体の消防と連携した態勢の構築が必要になる。今回の火災で鎮火に時間がかかった要因をきちんと検証し、建物の中を区切ったり、防火シャッターを増やしたりするなど、消火設備についても対策を進めるべきだ」と指摘しました。