■ 大阪府教委は梅原さんの再任用を拒否!

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「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク

 ■ 大阪府立高校教員の梅原さんは今春、定年を迎え、再任用を希望していたのですが、今日2月17日、再任用の不合格が通知されました。この再任用不合格は、梅原さん本人の異議申し立てに全く耳を貸さず、重大な憲法違反を犯して強行されたものです。満腔の怒りを禁じ得ません。

 ■ 梅原さんは再任用「選考」直前の1月下旬、校長から、再任用に向けた意向確認として「卒業式の際の『君が代』で起立斉唱の職務命令に従うか、『はい』か『いいえ』で答えろ」と、突然訊かれました。
 梅原さんは「生徒にもそのような(思想信条を問う)違反質問には答えるなと指導している私たちが、答えることは出来ない」と返答したところ、校長は「意向確認できなかったと報告する」と言ったのです。


 ■ 大阪の府立高校などでは、就職を希望する生徒に、就職試験の際、親の職業・家族構成など自分の責任に関わらないことや、信仰や思想良心に関わることを訊かれた場合、「そのような質問には答えないよう学校で指導されています」と答えるように指導しています。これは大阪府教育委員会の方針でもありました。
 梅原さんが「そのような違反質問に答えることは出来ない」と答えたことは教員として当然のことです。

 ■ そもそも、「君が代」で立つ・立たないは「思想良心の自由」「信教の自由」の問題であり、それを問うことや、踏み絵のように採用の条件に使うことは思想差別であり憲法上の重大な権利侵害です。
 しかも、「再任用を希望する職員については再任用するものとすること」という総務省通知(「地方公務員の雇用と年金の接続について」2013.3.29)に明らかに反するものです。ところが大阪府教委は、教職員の定年を迎えた再任用「選考」において、まさに教職員の思想良心を問い、合否を判断しているのです。

 ■ 大阪府商工労働部は「違反質問」と認定

 ■ 私たちは、府教委の指示を受けて校長がおこなった「違反質問」について、企業・自治体の公正な採用選考を推進する役目を担っている大阪府商工労働部に相談すると、“このような質問は差別選考につながる「違反質問」である”という認識を示し、教職員人事課に対して、“再任用選考のためにこのような質問をすべきではない”という改善要請をおこないました。

 ■ ところが、この商工労働部の「改善要請」について府教委(教職員人事課)に説明を求めたところ、「民間の就職試験では思想良心を問う質問をしてはいけないが、公務員は国旗・国歌条例があるから(日の丸・君が代について)質問してもいいのだ」と回答したのです。
 つまり、府教委(教職員人事課)は同じ大阪府の機関である商工労働部からの改善要請を真っ向から否定しました。

 ■ そして、違反質問には「答えられない」という梅原さんの返答や「意向確認ができなかった」とする校長報告を、再任用「選考」の合否判断材料から除外するよう、梅原さん本人が申し入れたにもかかわらず、大阪府教育委員会は本日の再任用不合格通知を強行したのです。

 ■ 私たち「日の丸・君が代」強制反対大阪ネットは、大阪府教委に対して、違反質問・差別選考に基づく再任用拒否を撤回するよう、とことん要求します。
 府民、府職員のみなさんのご理解ご協力をお願いします。

                                 「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク