《被処分者の会通信》
◆ 東京朝鮮高校生「無償化」裁判・証人尋問の報告
年末の12月13日、東京朝鮮高校生裁判第12回口頭弁論が東京地裁103号法廷で行われました。原告の高校生(当時)2人、文科省担当者2人の証人尋問が行われる山場となり、大勢の朝鮮高校生、卒業生、保護者、支援者、そして愛知、大阪、広島、福岡(小倉)の各地で「無償化」裁判を闘う支援者や弁護士も傍聴に駆けつけ、傍聴券を求める支援者の列は219人となりました。(私は傍聴券が当たりましたが高校生に譲ったため、夕方の報告集会の内容をもとに、以下報告します。)
まず証言に立ったのは文科省担当者2人。安倍政権が朝鮮学校の排除を決めた当時(2012年12月~2013年2月)の文部科学省の担当者である望月禎氏(初等中等教育局主任視学官・役職名は当時)と中村真太郎氏(初等中等教育局財務課高校修学支援室企画係長)への尋問を被告・国側がまず行い、次に原告側喜田村洋一弁護団長が尋問しました。
喜田村弁護士の理詰めの尋問にあい、文科省の2人はしどろもどろになったとのこと。
政権交代直後に下村文科相が記者会見で「政治的・外交的理由で朝鮮高校を不指定にする、規程ハを削除する」という趣旨を述べたことと、「指定手続きはあくまでも教育上の観点で判断する」という政府見解との矛盾、
「高等学校等就学支援金の支給に関する審査会」がこれ以上審査できないと決めたことはあったのか?指定しないと決めたことはあったのか?「ない」
;審査の結果、規程に適合すると認めるに至らなかった、というのは後付けの「理由」であることを、時系列を追って冷静に喜田村弁護士から追及されて、文科省官僚の立場上、偽証もできず矛盾を認めることもできず…と、矛盾は浮き彫りにされた模様です。
原告本人尋問は、傍聴者から証人を見えなくした上で行われ、62人の多様な原告の代表として1人は現在朝鮮大学校に、1人は日本の大学に在学中の、当時高校2年生と3年生だった原告が証言しました。
担当した松原弁護士によれば、朝鮮学校のことを知らない裁判官に、高校生たちの姿、生活をイメージさせるため、朝何時に起きて、学校で部活(吹奏楽)をし、授業を受けて、また部活をして、夜家に帰る、等の高校生活。
その中で「無償化」問題に巻き込まれ、署名活動等。心無い女性(40代位)の言葉に泣いてしまったことも。原告になりたくても周囲の反対でなれなかった友達もいる。
最後に裁判官に伝えたいことは「私たちは普通の高校生でした。普通の高校生が普通の高校生として暮らしてゆけるような世の中を作ってほしい」~という120%の証言だったそうです。
被告・国側からの反対尋問はありませんでした。
なお、朝鮮高校の様子を伝える映像DVDが事前に裁判所に提出されました。
次回期日は4月11日14時から、ついに結審となります。
どうぞ駆けつけ、応援しましょう!
2月25日(土)14:30東京朝鮮高校生裁判を支援する会講演会 中村一成氏 会場文京区民センター
(被処分者の会事務局池田幹子)
『被処分者の会通信 第109号』(2017.1.24)
◆ 東京朝鮮高校生「無償化」裁判・証人尋問の報告
年末の12月13日、東京朝鮮高校生裁判第12回口頭弁論が東京地裁103号法廷で行われました。原告の高校生(当時)2人、文科省担当者2人の証人尋問が行われる山場となり、大勢の朝鮮高校生、卒業生、保護者、支援者、そして愛知、大阪、広島、福岡(小倉)の各地で「無償化」裁判を闘う支援者や弁護士も傍聴に駆けつけ、傍聴券を求める支援者の列は219人となりました。(私は傍聴券が当たりましたが高校生に譲ったため、夕方の報告集会の内容をもとに、以下報告します。)
まず証言に立ったのは文科省担当者2人。安倍政権が朝鮮学校の排除を決めた当時(2012年12月~2013年2月)の文部科学省の担当者である望月禎氏(初等中等教育局主任視学官・役職名は当時)と中村真太郎氏(初等中等教育局財務課高校修学支援室企画係長)への尋問を被告・国側がまず行い、次に原告側喜田村洋一弁護団長が尋問しました。
喜田村弁護士の理詰めの尋問にあい、文科省の2人はしどろもどろになったとのこと。
政権交代直後に下村文科相が記者会見で「政治的・外交的理由で朝鮮高校を不指定にする、規程ハを削除する」という趣旨を述べたことと、「指定手続きはあくまでも教育上の観点で判断する」という政府見解との矛盾、
「高等学校等就学支援金の支給に関する審査会」がこれ以上審査できないと決めたことはあったのか?指定しないと決めたことはあったのか?「ない」
;審査の結果、規程に適合すると認めるに至らなかった、というのは後付けの「理由」であることを、時系列を追って冷静に喜田村弁護士から追及されて、文科省官僚の立場上、偽証もできず矛盾を認めることもできず…と、矛盾は浮き彫りにされた模様です。
原告本人尋問は、傍聴者から証人を見えなくした上で行われ、62人の多様な原告の代表として1人は現在朝鮮大学校に、1人は日本の大学に在学中の、当時高校2年生と3年生だった原告が証言しました。
担当した松原弁護士によれば、朝鮮学校のことを知らない裁判官に、高校生たちの姿、生活をイメージさせるため、朝何時に起きて、学校で部活(吹奏楽)をし、授業を受けて、また部活をして、夜家に帰る、等の高校生活。
その中で「無償化」問題に巻き込まれ、署名活動等。心無い女性(40代位)の言葉に泣いてしまったことも。原告になりたくても周囲の反対でなれなかった友達もいる。
最後に裁判官に伝えたいことは「私たちは普通の高校生でした。普通の高校生が普通の高校生として暮らしてゆけるような世の中を作ってほしい」~という120%の証言だったそうです。
被告・国側からの反対尋問はありませんでした。
なお、朝鮮高校の様子を伝える映像DVDが事前に裁判所に提出されました。
次回期日は4月11日14時から、ついに結審となります。
どうぞ駆けつけ、応援しましょう!
2月25日(土)14:30東京朝鮮高校生裁判を支援する会講演会 中村一成氏 会場文京区民センター
(被処分者の会事務局池田幹子)
『被処分者の会通信 第109号』(2017.1.24)