豪最高裁に初の女性長官=「15歳で社会人」経歴も話題
 
【シドニー時事】オーストラリア最高裁の長官に30日、スーザン・キーフェル氏(63)が就任した。113年の歴史がある豪最高裁で女性長官は初めて。15歳で社会人となった後、苦学して法律家になった異例の経歴も話題を呼んでいる。

 キーフェル氏は東部ケアンズ出身。「早く社会人になりたい」と考え、義務教育を終えた15歳で就職した。転機は、弁護士事務所で秘書をしていた時だ。弁護士の勧めで、法律の勉強を始め、21歳の時に法律家の資格を取得。その後、英ケンブリッジ大学で法学修士も取得し、2007年から最高裁判事を務めていた。ターンブル首相は「傑出した法律家の一人。その経歴も人々を鼓舞する」とたたえた。

 長官を含む最高裁判事6人のうち3人が女性。豪メディアによると、キーフェル氏は就任演説で「法律的な能力、経験、資質を持った女性がいることを認めてもらった。(女性判事は)もっと増えていくだろう」と期待を示した。(2017/01/30