南スーダン制裁決議採択されず=陸自派遣の日本棄権-米「歴史は厳しい判断」と批判
日本は武器禁輸がかえって混乱を招き、現地の国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊へのリスクが高まる事態を懸念。陸自部隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」の任務が付与されたことも踏まえた対応だが、同盟国である米国と異なる投票行動を取る異例の展開になった。
パワー米国連大使は採決後、「彼ら(棄権国)の決定に歴史は厳しい判断を下すだろう」と批判。「きょうの行動に賛同しなかった国が(制裁を実施しないことによる)人的コストを理解し次第、すぐに決議案を再提案する用意がある」と述べた。
日本の別所浩郎国連大使は採決後、南スーダン政府による国民対話などを評価した上で、「より大規模な暴力を防ぐために、こうした取り組みを具体的行動に移していくことが必要だ」と訴えた。
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は23日、南スーダンへの武器輸出の禁止や内戦当事者の資産凍結などの措置を定めた米主導の制裁決議案を採決したが、採択に必要な9カ国の支持を得られず、決議案は廃案になった。理事国15カ国のうち、米英仏など7カ国が賛成、日本や中ロなど8カ国が棄権した。
日本は武器禁輸がかえって混乱を招き、現地の国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊へのリスクが高まる事態を懸念。陸自部隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」の任務が付与されたことも踏まえた対応だが、同盟国である米国と異なる投票行動を取る異例の展開になった。
パワー米国連大使は採決後、「彼ら(棄権国)の決定に歴史は厳しい判断を下すだろう」と批判。「きょうの行動に賛同しなかった国が(制裁を実施しないことによる)人的コストを理解し次第、すぐに決議案を再提案する用意がある」と述べた。
日本の別所浩郎国連大使は採決後、南スーダン政府による国民対話などを評価した上で、「より大規模な暴力を防ぐために、こうした取り組みを具体的行動に移していくことが必要だ」と訴えた。
(2016/12/24-01:22)