これを鏡にして府立学校200校(高校154校、支援学校46校)の校長・准校長に『勧告書全文』送りました。(M)

2016年10月8日
 大阪府立学校校長・准校長様
 ◎ 弁護士会勧告にご留意ください
「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク
代表 黒田 伊彦

 前略失礼いたします。
 日頃より、学校運営を通して大阪の教育に尽力されていることに敬意を表します。
 私たち「『日の丸・君が代』強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク」(略称「大阪ネット」)は、学校現場での「日の丸・君が代」の強制に反対して活動を行っている市民団体です。
 卒業式、入学式等、学校行事での「日の丸」掲揚や「君が代」斉唱については、日本の負の歴史(侵略戦争と植民地支配)への反省等から、以前より反対の声が強く、多くの議論がされてきたところです。


 特に、強制的な色合いが強くなってからは、教職員や生徒の人権問題としても、そのあり方が問われ続けています。

 大阪府では、2011年6月「大阪府国旗国歌条例」、2012年1月「教育長通達」以降、教職員に対する「職務命令-処分」として、異常とも思える「戒厳体制」が敷かれるに到っていることもご承知の所と思います。各校長先生におかれても、このような「行政の暴走」に苦々しい思いをされたことがあるかもしれません。
 生徒や教職員など参加者個々の心情を踏みにじるような式典は誰も望むところではないはずです。

 さて、今年3月18日、大阪弁護士会は大阪府教育委員会および府立A高等学校校長に対して、「君が代」の強制にかかわって人権侵害が行われたことを認定し、それを是正せよとの「勧告」を行いました。
 この勧告は、A高校の教職員、生徒(卒業生)、保護者からの人権救済の申立てを受けた大阪弁護士会人権擁護委員会が1年をかけて調査したうえで、法律専門家の職能団体として今日における人権の水準を踏まえられて出されたものです。
 弁護士会の措置として、「要望」よりも強い「勧告」という形で出されたこと、また、教職員だけでなく生徒・保護者からの申し出を受けたものであることにも、特段の留意をする必要があると考えます。
 申立てを行った生徒は、起立を強制する予行時の校長の「指導」を聞いて、「起立斉唱ができない私はこの学校にとって必要のない人間なのかと感じてつらかった」と述べています。

 残念なことに、未だ府教委はこの勧告を受け入れることを表明しておらず、当該校校長は勧告で指摘された人権侵害行為をその後も繰り返しています。
 以下に、弁護士会勧告全文を紹介しておりますので、各校長先生におかれては、ご熟読のうえ、今後の学校運営に正しく反映させていかれるよう要望します。
 また、私たちは、大阪府教委が自分の考えはどうであれ、人権問題に関わる重要な文書として、この勧告を全教職員に周知する必要があると考えますが、それはなされていないようです。(あるいは、校長先生には情報提供されているかも知れませんが)。
 私たちは、教職員や生徒にこの「勧告」広く知らせていこうと考えています。できましたら、校長先生からも配付等によって貴校教職員にこの勧告を周知されることもあわせて要望したいと思います。
 校長先生と私たちは立場の違いがあるかも知れませんが、人権を尊重し、まちがっても人権侵害の行為に及ぶことが無いよう努めなければならないという認識においては共通するものと考えます。よろしくご考慮をお願い申しあげます。

 ※ ご不明の点等ございましたら、大阪ネット事務局 までご連絡ください。


パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2