関東大震災 3分後の余震、本震より揺れ強く 東京都区部
十万人超が犠牲となった一九二三年の関東大震災の際に、東京都区部などでは、本震よりも三分後の余震による揺れの方が強かったとの解析結果を、建築コンサルタント会社「小堀鐸二(たくじ)研究所」(東京)が発表した。神奈川県-房総半島南部で起きたマグニチュード(M)7・9の本震に対し、この余震はM7・2と規模は小さかった。ただ、震源が東京湾北部で、本震の時より東京に近かった。
解析した同社の神田克久さんは「強い揺れが相次いだ今年の熊本地震と似た状況だ。揺れの繰り返しで建物被害が拡大したのだろう」としている。
関東大震災を巡っては、本震と余震を経て壊れた木造家屋の状況から、地盤の悪い現在の墨田区南部、江東区北西部などで震度7とされていた。だが、それぞれでどれくらい揺れたのかは分からなかった。
神田さんらは、当時の震度記録に加え、関東地方で最近観測された震度データなどを用いて解析。関東大震災の本震と余震、それぞれの震度分布を新たに計算した。
結果、東京の揺れは、九月一日午前十一時五十八分の本震で震度6弱~5強で、三分後の余震では、東京東部や埼玉県などで震度6強~6弱、一部で震度7だった。本震で震度7と推定した神奈川県南部や千葉県南部では、三分後の余震の揺れは震度5弱や4だった。

関東大震災の本震(左)と、3分後に起きた余震による推計震度の分布。×が震源。震度は7(ピンク)、6強(赤)、6弱(オレンジ)、5強(黄)、5弱(黄緑)、4(水色)=神田克久さん提供
東京新聞2016年10月1日 夕刊