東京都八王子市暁町2の緑地の擁壁工事現場

10日午後0時5分頃、東京都八王子市暁町の工事現場で、のり面の補強工事を行っていた男性作業員4人が感電する事故があった。

 作業員らは病院に運ばれたが、50歳代の男性が死亡し、30歳代の男性が意識不明の重体のほか、2人が手足のしびれの軽傷を負った。

 警視庁八王子署の発表によると、のり面に開けた穴に、約6メートルの鉄の棒を挿入する作業を5人で行っていたところ、この棒が頭上の電線に触れて感電したという。5人のうち1人は無事だった。同署は死亡した男性らの身元の確認を急いでいる。


工事現場:作業員4人が感電…1人死亡、1人重体 八王子 

10日正午ごろ、東京都八王子市暁町2の緑地の擁壁工事現場で、男性作業員4人が感電する事故があった。この事故で50代の作業員が死亡。30代の作業員が意識不明の重体となり、他の2人も軽いけがを負った。警視庁八王子署は業務上過失致死傷の疑いも視野に事故の状況を調べている。
 同署や東京消防庁などによると、作業員らは擁壁に沿って足場を組み、長さ約6メートルの鉄製の棒を斜面に差し込む作業中、近くの電線に棒が触れて感電したとみられる。八王子市発注の工事で、工期は6月29日〜11月18日の予定だった。
 現場はJR八王子駅の北約2キロの住宅地。近所の男性(77)は「事故当時、周辺は45分ほど停電した」と話した。石森孝志市長は「誠に遺憾。事故防止に向けた指導を徹底する」とのコメントを出した。


 ▶法面(のりめん)
 法面の傾斜は、切土や盛土が崩壊しないよう考慮する必要があり、土質、岩質等により安定勾配を算出する。不足分は保護工により補う。
 法面の斜面長は、高さに対する安定勾配で決まる。安定度を考慮して、冗長にならないよう適宜、小段(犬走り)を設置する。斜面工事を行う労働者の安全や万が一にを考慮する。
地山掘削を伴う法面工事に関しては、労働安全衛生規則第355条~第361条(労働安全衛生法の規則)などにより、必要な安全措置を講じる必要性が定められている

法面に関連する工事
以下の工事は、斜面崩壊や地すべりなど土砂災害の拡大防止を目的として施工する。

法切工
自然、人工の別を問わない斜面上の不要な土砂を撤去及び整形する工事。単純な地山掘削工事の一環として行われることが多い。

法面保護工
整形された法面の安定度強化及び浸食を防止する工事。法枠工の施工。モルタルや客土を吹き付ける。植生マットや筵を張り付ける。草止めを行なう等、手法にはさまざまなものがある。

土留工
斜面の末端及び中腹に土留を配して、崩壊を抑止する。

緑化
法面はしばしば緑化される。該当記事を参照。

法面調査
法面は年月の経過と共に劣化し崩壊することがあるため、定期的に、あるいは不定期に点検する必要がある。 点検によって崩壊兆候などの異常が確認されれば、詳細な調査が実施され、法面対策工法が検討される。 法面調査は土木地質の専門技術者等により実施され、高所作業を伴う場合には特殊高所技術による調査も適用される。

参考文献
社団法人 日本道路協会 『落石対策便覧』、2000年。ISBN 4-88950-412-5
財団法人 道路保全技術センター 『道路防災総点検要領』