英国:EU離脱、日本の要望書が話題にhttp://static-entertainment-eas-s-msn-com.akamaized.net/sc/9b/e151e5.gif 

 【ロンドン坂井隆之】英国の欧州連合(EU)からの離脱について、日本政府がまとめた要望書が英国内で反響を呼んでいる。英国にEU市場との一体性継続を求め、受け入れられない場合は日系企業の移転の可能性を警告する異例の厳しい内容のためだ。日本企業は英国内で多くの雇用を抱えるだけに、英メディアは「メイ政権に事態の困難さを突きつけるもの」(英紙フィナンシャル・タイムズ)などと、こぞって報じている。

 要望書は内閣官房、外務、経済産業など関係省庁で作る「英国のEU離脱に関する政府タスクフォース」が企業への聞き取りを基に英文15ページにまとめ、2日に公表した。

 要望書は「日系企業は欧州全体で44万人の雇用を生み出し、そのかなりの部分が英国に集中している」と地元経済への貢献を強調。「交渉の行く末が見通せず、ぎりぎりになって明らかになるのは望ましくない」と指摘し、早期に新たな英・EU関係の全容を示すよう求めた。
 また、具体的要望として、英・EU間の現行関税率の維持や、英国で取得した銀行免許がEU域内のどこでも通じる「シングルパスポート」の継続、労働力確保のため現行の移民制度の維持も求め、「悪影響を最小化するよう責任ある対応を願う」と強く注文した。

 離脱交渉を巡っては、移民制限のためにはEUとの経済関係悪化もやむを得ないとする強硬派と、単一市場残留を優先する協調派に政府・与党内部も二分しており、メイ首相は交渉方針を示せていない。それだけに英メディアは「他国も日本に追随することを官邸は懸念」(ガーディアン)▽「前例の無い介入」(デイリー・テレグラフ)など、メイ政権への圧力が強まると受け止めている。要望書についてメイ首相は5日の記者会見で、「英国にとって野心的で最良の合意を目指す」と従来の見解を述べるにとどめた。



9月2日付
Government Task-force regarding the Withdrawal of the United Kingdom from the European Union 

【連絡先】 外務省経済局欧州連合経済室




英国のEU離脱に関する政府タスクフォース 第一回会合の開催について  
 
1. 趣旨 英国のEU離脱に関する政府の対応について検討するために,7月27日,英国の EU離脱に関する政府タスクフォース第一回会合を開催。  

2. タスクフォースの構成員 
議 長  萩生田 光一 内閣官房副長官 
副議長  古谷 一之  内閣官房副長官補(内政) 兼原 信克  内閣官房副長官補(外政) 
構成員  林 肇    外務省 欧州局長
 山野内 勘二 同 経済局長
 梶川 幹夫 財務省 関税局長 
嶋田 隆   経済産業省 通商政策局長 
水田正和   農林水産省 総括審議官 
森田 宗男 金融庁 総括審議官  

3. タスクフォース第一回会合の概要 
(1)  会合においては,冒頭萩生田光一内閣官房副長官より,英国の新内閣が成立 し,離脱に向けた動きが本格化するとみられる中,経済を含む日英関係及び日 EU関係全般に関し,政府として,適切かつ中長期的な対応が必要となる旨発 言があった。 その上で同官房副長官は,今後の英国とEUとの離脱交渉において,経済界 の声を踏まえた我が国の考え方が適切に反映されるよう,英国及びEUに対し, 政府として働きかけを行っていくことを表明した。 また同官房副長官は,本タスクフォース会合を通じ,関係省庁が収集した情 報や取組の現状を集約した上で,英国及びEUへの働きかけについて集中的に 検討し,その結果を取りまとめるよう各省庁へ指示した。 
(2)その後,各省より,それぞれの取組等について説明を行った。 


英国のEU離脱に関する政府タスクフォース(第一回)  

日時:平成 28 年7月 27 日(水) 
11時 30 分 ~ 12 時 00 分 
場 所 : 官 邸 3 階 南 会 議 室  
議 事 次 第  
1.開 会   萩生田内閣官房副長官(タスクフォース議長)挨拶  
2.議 事 (1)タスクフォース概要説明 (2)外務省報告 英国新内閣及びEUの方針等並びに外務省の取組 (3)財務省報告 直近の対応、市場の動き、関税同盟等との関係 (4)経済産業省報告 産業界の動向及び経済産業省の取組 (5)農林水産省報告 英国のEU離脱による日本の農林水産業・食品産業への影響 (6)金融庁報告 英国のEU離脱による日本の金融機関への影響等  
3.閉 会        
英国のEU離脱に関する政府タスクフォース 
第一回会合出席者一覧  
議 長  萩生田 光一 内閣官房副長官  
副議長  古谷 一之  内閣官房副長官補(内政) 
     兼原 信克  内閣官房副長官補(外政)  
構成員(幹事会メンバー)   
林 肇    外務省 欧州局長 
山野内 勘二 同 経済局長 
梶川 幹夫  財務省 関税局長 
嶋田 隆   経済産業省 通商政策局長 
水田 正和  農林水産省 総括審議官 
森田 宗男  金融庁 総括審議官 


平成28年8月18日  
英国のEU離脱に関する政府タスクフォース 第二回会合の開催について  

1. 趣旨 英国のEU離脱に関する政府の対応について検討するために,8月18日,英国の EU離脱に関する政府タスクフォース第二回会合を開催。  
2. タスクフォースの構成員  
議 長  萩生田 光一 内閣官房副長官 
副議長代理 新川 浩嗣   内閣官房内閣審議官    
松永 明    内閣官房内閣審議官 

構成員   新原 浩朗  内閣府 政策統括官    
森田 宗男   金融庁 総括審議官 
谷脇 康彦  総務省 情報通信国際戦略局長 
林 肇     外務省 欧州局長 
山野内 勘二  同     経済局長 
梶川 幹夫      財務省 関税局長 
神田 裕二   厚生労働省 医政局長 
横山 紳    農林水産省 国際部長
 嶋田 隆    経済産業省 通商政策局長 
掛江 浩一郎  国土交通省 大臣官房審議官
  
3. 第二回タスクフォースの概要
 (1) 冒頭,萩生田内閣官房副長官から,英国のEU離脱プロセスの見通しを踏まえ,日本企業は先行きの不確実性や従来のビジネス環境維持に不安を感じてい ると思われることから,英国とEUが市場の一体性をできる限り保つよう求め, 日本企業の不安が払しょくされるよう努める必要があると述べた。萩生田副長 官は,こうした観点から,我が国として英国及びEUに対し日本企業の具体的 な関心・要望を示すとともに,欧州が自由貿易の旗振り役を担い続けるよう促 すべきであり,この関連で日EU・EPA交渉の年内大筋合意実現は力強いメ ッセージであると述べた。さらに,萩生田副長官から,国際社会の平和・安定・ 繁栄のため,EU及び英国と引き続き緊密に協力・連携する重要性につき言及 した上で,今回の会合では英国及びEUへのメッセージ案をとりまとめる作業 を行いたい旨述べた。
 (2) 続いて,本回の会合から新たに参加した内閣府,総務省,厚生労働省及び国 土交通省から,英国の国民投票後の現状や各府省における取組等について報告 の後,外務省及び経済産業省から,前回会合のフォローアップ事項である日本 企業の進出経緯や中小企業への影響等について報告があった。さらに,外務省 から,英国のEU離脱に係る政治的な動向と今後の見通しについて報告があっ た後,英国及びEUへのメッセージ案について参加者間で議論が行われた。 


英国のEU離脱に関する政府タスクフォース(第二回)  
日時:平成 28 年8月 18 日(木) 
15 時 00 分~15 時 30 分 
場 所 : 官 邸 3 階 南 会 議 室  
議 事 次 第  
1.開 会   萩生田内閣官房副長官(タスクフォース議長)挨拶 
2.議 事 (1)内閣府報告 英国のEU離脱によるマクロ経済への影響
 (2)総務省報告 英国のEU離脱による情報通信分野への影響 
(3)厚生労働省報告 英国のEU離脱による日本の医薬品産業への影響 
(4)国土交通省報告 英国のEU離脱による国交省所管業界への影響 
(5)前回会合のフォローアップ ①外務省報告「日系企業のEU・英国への進出経緯」 ②経済産業省報告「中小企業の現状と影響」 
(6)外務省報告 Brexit に係る政治的な動向と今後の見通し 
(7)英国及びEUへのメッセージ(案)について 
3.閉 会 

英国のEU離脱に関する政府タスクフォース 
第二回会合出席者一覧  
議 長  萩生田 光一  内閣官房副長官  
副議長代理 
新川 浩嗣   内閣官房内閣審議官  
     松永 明    内閣官房内閣審議官   
構成員 
新原 浩朗  内閣府 政策統括官 
森田 宗男   金融庁 総括審議官 
谷脇 康彦  総務省 情報通信国際戦略局長 
林 肇   外務省 欧州局長 
山野内 勘二  同 経済局長  
梶川 幹夫   財務省 関税局長 
神田 裕二   厚生労働省 医政局長 
横山 紳    農林水産省 大臣官房国際部長 
嶋田 隆    経済産業省 通商政策局長 
掛江 浩一郎  国土交通省 大臣官房審議官(国際担当)  


平成28年9月2日  
英国のEU離脱に関する政府タスクフォース 第三回会合の開催について  

1. 趣旨 英国のEU離脱に関する政府の対応について検討するために,9月2日,英国のE U離脱に関する政府タスクフォース第三回会合を開催。  

2. タスクフォース出席者 
議 長  萩生田 光一 内閣官房副長官 
副議長   古谷 一之   内閣官房副長官 
副議長代理 松永 明    内閣審議官 
構成員   原 宏彰  内閣府 大臣官房審議官 
森田 宗男   金融庁 総括審議官 
髙木 誠司  総務省 情報通信国際戦略局次長 
宮川 学   外務省 欧州局審議官 
山野内 勘二  外務省 経済局長 梶川 幹夫     
 財務省 関税局長 神田 裕二   
厚生労働省 医政局長 横山 紳    
農林水産省 大臣官房国際部長 赤石 浩一   
 経済産業省 大臣官房審議官
 奈良原 博史  国土交通省 国際統括官 
其田 真理  個人情報保護委員会事務局長 
 
3. 第三回タスクフォースの概要
 (1) 第三回会合においては,関係府省庁がこれまでに収集した情報に加えて,主 要経済団体や欧州進出日系企業等の声も踏まえた形で,英国及びEUへのメッ セージを採択した。 
(2) 萩生田光一内閣官房副長官は,今後,英国とEUが将来の関係を定めていく に当たり,我が国の要望が適切かつ効果的に反映されるよう,本メッセージを 速やかに両者に伝達していく必要があることを指摘し,今後G20等の,首 脳・閣僚級の外交機会を最大限活用し,併せて在外公館を通じ,英国及びEU への働きかけを行っていくよう指示した。
 (3) また萩生田副長官は,英国のEU離脱プロセスは息の長いものとなることが 見込まれるところ,今後も,本タスクフォースを随時開催し,英EU間での新 たな動きや我が国からのメッセージに対する英国・EU側の反応等を含めたフ ォローアップや日系企業・経済界のその後の動向等について情報共有を図って いきたい旨を述べた。さらに,萩生田副長官は,今後も,経済界の懸念・要望 に最大限に耳を傾けつつ,引き続き,政府が一体となって本件課題に取り組ん でいくことが重要であり,関係府省庁は,英国及びEUの離脱交渉の推移等を 注視しつつ,あらゆる事態に柔軟に対応すべく,様々なシナリオを想定し,シ ミュレーションを行う等,不断の努力を継続するよう指示した。 



英国のEU離脱に関する政府タスクフォース(第三回)  
日時:平成 28 年9月2日(金) 
15 時 00 分~15 時 15 分 
場 所 : 官 邸 3 階 南 会 議 室  
議 事 次 第  
1.開 会 
  萩生田内閣官房副長官(タスクフォース議長)挨拶  
2.議 事 
(1)英国及びEUへのメッセージの採択 
(2)英国及びEUへの今後の働きかけについて(外務省)  
3.閉 会