千葉県船橋市は29日、市内の学習塾で結核の集団感染があったと発表した。

 児童・生徒43人を含む56人が感染し、うち15人が発病。感染源とみられる30代の男性講師は入院し、他の感染者は通院して治療を受けている。

 市によると、集団感染は今月12日に発覚。小学生8人、中学生13人、高校生以上22人のほか、講師の同僚や家族らが感染した。市内では他に、遊技場で結核の集団感染が発覚。感染者は8人で、うち6人が発病した。 


  30日の朝日新聞:
  船橋市と千葉県は29日、結核の集団感染が船橋市で2件、市原市で1件、それぞれ確認されたと発表した。

 船橋市保健所によると、船橋市内の2件のうち1件は、最初に結核と診断された30代男性が学習塾講師を務めており、塾の生徒43人を含む56人の感染が確認された。男性は現在も入院中だが、それ以外の発病者が感染している結核菌の感染力は低く、これ以上の新たな感染拡大の恐れはほぼないという。

 塾講師の男性は7月5日に肺結核と診断された。調査の結果、家族2人が感染していたほか、昨年~今年に男性が接触した人たちのうち、通塾当時に小学生から高校生だった計43人が感染。同僚の10~50代の塾講師10人も感染していた。男性は2012年~15年に、健康診断で肺の異常を指摘されていたが、医療機関を受診していなかったという。市保健所は過去にさかのぼって接触者の範囲を拡大し、調査を継続する。

 また、別の1件は、昨年11月中旬に60代の無職男性が肺結核と診断された。今月までに、この男性が利用した施設の従業員ら7人の感染が確認されたという。 また、県疾病対策課によると、市原市内の集団感染では、2015年9月、市内の80代女性が発熱の症状で市内の医療機関を受診し、結核と診断された。女性の家族や接触者を調べたところ、今年8月までに女性の夫や娘ら家族4人と、医療機関の女性職員8人に感染が確認された。結核以外の病気で死亡した女性の夫を除く12人は、すでに薬などによる治療を受けており、同課の担当者は「新たな感染拡大の恐れは極めて低い」としている。

 今年確認された県内の結核の集団感染は、今回の3件を含め5件という。