2016-07-13 12:16     
 天皇陛下が生前退位の意向を示されていることが13日、政府関係者への取材で分かった。少なくとも1年前から、こうした意向を周囲に示していたというが、今すぐ退位しなければならない健康上の問題があるわけではないとしている。
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■ 天皇陛下が「生前退位」の意向示す、数年内に譲位=報道
   
[東京 13日 ロイター] - NHKなどの国内メディアによると、天皇陛下が生前に皇太子殿下へ譲位する「生前退位」の意向を宮内庁の関係者に示していることが分かった。
数年内の譲位を希望しており、天皇陛下自身が意向を表わす方向で調整が進められているという。
報道によると、天皇陛下は「憲法で定められた象徴としての務めを十分に果たせる者が天皇の位にあるべきだ」と考え、公務の大幅な削減や、代役を立てた上で天皇の位にとどまることは望まれていないという。
皇室制度を法的に規定している皇室典範の中に、天皇の生前譲位の規定はない。このため皇室典範の改正が必要になるとの議論が本格化することも予想される。
天皇陛下は1989年1月、昭和天皇の崩御を受け、皇位を継承。82歳の高齢ながら、国事行為をはじめ数多くの公務を精力的に務められてきた。



毎日新聞 7月14日(木)15時0分配信    

<生前退位意向>5月から検討加速 宮内庁幹部ら5人

 明治時代以降初となる天皇の「生前退位」に関し、天皇陛下のご意向を受け、宮内庁の一部の幹部が水面下で検討を進めていたことが分かった。今年5月半ばから会合を重ねて検討が本格化。首相官邸にも連絡してすり合わせてきた。こうした動きは内々に進められてきたが、天皇制に関する転換点であることを踏まえ、今後、公表のタイミングを計り、広く国民の理解を図る考えだ。


 宮内庁関係者によると、検討を進めていたのは、風岡典之長官ら「オモテ」と呼ばれる同庁の官庁機構トップ2人と、「オク」と呼ばれ、陛下の私的活動も支える侍従職のトップ2人。皇室制度に詳しいOB1人が加わり、皇室制度の重要事項について検討。「4+1」会合とも呼ばれている。

 陛下は7年前から、皇太子さま、秋篠宮さまと3人でお会いする機会を月1回程度設けてきた。この中で、今後の皇室に関する話題も出ることがあったという。

 「4+1」会合はそれを受けて開かれることもあり、5月半ばから、早朝に会合を行うなど活動が加速。生前退位に伴う手続きの検討とみられ、午前8時過ぎに同庁長官室に集まることもあった。頻繁に会合を重ね、皇室典範の改正や新法、元号の問題、退位後の呼称なども検討。結果を首相官邸の杉田和博官房副長官とすり合わせ、方向性が定まったことについては両陛下に河相周夫侍従長らが報告してきた。

 最近では、両陛下が静養のため神奈川県の葉山御用邸に出発した今月11日の前日にも報告しており、風岡長官は参院選の最中にも官邸に足を運んでいた。