熊本は7.6%で発生 確率低くても備え必要

 4月に震度6強の地震があった熊本市。今回の地震動予測地図によると、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は7・6%で、関東地方や東海地方に比べて、ずっと低い値だった。それでも大地震は起きた。
 地震調査委員会の平田直委員長は「確率が他の場所より低いからといって安心してはだめだということを熊本地震が示した。日本で強い揺れに見舞われる確率がゼロになるところはない」と話す。確率が低い地域でも強い揺れへの備えが必要というのが地震調査委の見解だ。

 地震動予測地図は2005年に作成を開始した。地震保険の料率算定や自治体のハザードマップ作成などで活用されている。
 ただ一般の防災意識の向上に役立っているとは言い難い。確率の低い地域に住む住民からは「安心情報」と受け取られ、逆効果になりかねないとの指摘も出ている。示された確率は地震研究の成果であるが、現在の研究レベルでは地震予知は無理だということも、知っておかなくてはならない。

  (6月11日東京新聞より抜粋)