出産後の育児への不安などから発症する産後うつ。これが原因で自殺する母親が相次いでいることがわかりました。これは東京都などの調査で初めて明らかになったもので、過去10年間、東京23区内だけで40人の女性が出産から1年以内に自殺していました。このうち3分の1が産後うつだというのです。
生後数か月の赤ちゃん。鏡が曇るほど、運動しているのは、そのお母さんたちです。皆、同じ悩みを抱えています。
「子どもが泣いたら、相手をしてあげないといけないし、自分の計画どおりにいかない、イライラ」(娘が5か月の母親)
「周りの世界が急になくなっちゃって、子どもと2人だけの世界になってしまって、正気を保てないなと思って」(息子【2人目】が4か月の母親)
出産後に訪れた気分の落ち込みや、イライラ。ある調査では、出産後に「産後うつになった」もしくは「一歩手前だった」という人は、8割以上にのぼっています。
「私はなぜ、こんなにイライラするのかと。不安や不満をシェアできない」(息子が5か月の母親)
この教室では、体力を回復するための運動のほかに、子育ての不安や悩みを話し合うようにしています。
講師の吉田紫磨子さんも、かつて産後うつを経験しました。娘4人と夫と暮らす吉田さん。笑顔を失ったのは13年前、長女が生まれた時のことでした。
「産んだ後のことを何も想定していなくて、産んだ後に、こんなに痛いんだって」(吉田紫磨子さん)
初めて経験する身体中の痛み。昼も夜も泣き続ける赤ちゃん。それでも、「弱音を言ったら、お母さん失格だ」と思い、誰にも相談できなかったと言います。
「これは1か月過ぎたころ、2か月くらいのころ。でも、これ以降の写真がない」(吉田紫磨子さん)
娘の写真を撮る気力すら、失っていました。そして、出産から半年。
「赤ちゃんをだっこできなくなっちゃって、もしかしたら赤ちゃんに手を出していたかもしれないけど、手を出すほどの体力もなく、私がなくなってしまえばいい、自分が死んでしまえば、このつらさ、皆が気付いてくれるかなと」(吉田紫磨子さん)
この週末、産後うつについて、初めての調査結果が明らかになりました。妊娠中または出産から1年以内に自殺した女性が、東京23区では、10年間で63人にのぼっていました。産後に自殺した40人では、最も多い原因が産後うつでした。
ただ、国の対策は遅れていて、診断や治療に関するマニュアルや指針はありません。また、出産後の母親への健診は産後1か月でしか行われておらず、その後に発症しても見つけられないのが現状です。
なぜ、お母さんたちは追い詰められるのか。産後ケアの教室で代表を務める吉岡マコさんは、背景に、社会的な孤立があると指摘します。
「出産後は家から出られないので、社会から孤立してしまう。誰にでも起こりうることで、つらくなったら休んでもいいし、休めるように誰かにサポートを求めてもいい。外からおせっかいをしてあげることが一番」(吉岡マコ代表)
かつて、産後うつを経験した吉田さん。この教室と出会い、健康を取り戻しました。
「頭の中のもやもやを、言葉にするのが大事」(吉田紫磨子さん)
産後うつで苦しむ人を早期に発見できるよう日本産科婦人科学会では、診療ガイドラインの見直しを進めています。
生後数か月の赤ちゃん。鏡が曇るほど、運動しているのは、そのお母さんたちです。皆、同じ悩みを抱えています。
「子どもが泣いたら、相手をしてあげないといけないし、自分の計画どおりにいかない、イライラ」(娘が5か月の母親)
「周りの世界が急になくなっちゃって、子どもと2人だけの世界になってしまって、正気を保てないなと思って」(息子【2人目】が4か月の母親)
出産後に訪れた気分の落ち込みや、イライラ。ある調査では、出産後に「産後うつになった」もしくは「一歩手前だった」という人は、8割以上にのぼっています。
「私はなぜ、こんなにイライラするのかと。不安や不満をシェアできない」(息子が5か月の母親)
この教室では、体力を回復するための運動のほかに、子育ての不安や悩みを話し合うようにしています。
講師の吉田紫磨子さんも、かつて産後うつを経験しました。娘4人と夫と暮らす吉田さん。笑顔を失ったのは13年前、長女が生まれた時のことでした。
「産んだ後のことを何も想定していなくて、産んだ後に、こんなに痛いんだって」(吉田紫磨子さん)
初めて経験する身体中の痛み。昼も夜も泣き続ける赤ちゃん。それでも、「弱音を言ったら、お母さん失格だ」と思い、誰にも相談できなかったと言います。
「これは1か月過ぎたころ、2か月くらいのころ。でも、これ以降の写真がない」(吉田紫磨子さん)
娘の写真を撮る気力すら、失っていました。そして、出産から半年。
「赤ちゃんをだっこできなくなっちゃって、もしかしたら赤ちゃんに手を出していたかもしれないけど、手を出すほどの体力もなく、私がなくなってしまえばいい、自分が死んでしまえば、このつらさ、皆が気付いてくれるかなと」(吉田紫磨子さん)
この週末、産後うつについて、初めての調査結果が明らかになりました。妊娠中または出産から1年以内に自殺した女性が、東京23区では、10年間で63人にのぼっていました。産後に自殺した40人では、最も多い原因が産後うつでした。
ただ、国の対策は遅れていて、診断や治療に関するマニュアルや指針はありません。また、出産後の母親への健診は産後1か月でしか行われておらず、その後に発症しても見つけられないのが現状です。
なぜ、お母さんたちは追い詰められるのか。産後ケアの教室で代表を務める吉岡マコさんは、背景に、社会的な孤立があると指摘します。
「出産後は家から出られないので、社会から孤立してしまう。誰にでも起こりうることで、つらくなったら休んでもいいし、休めるように誰かにサポートを求めてもいい。外からおせっかいをしてあげることが一番」(吉岡マコ代表)
かつて、産後うつを経験した吉田さん。この教室と出会い、健康を取り戻しました。
「頭の中のもやもやを、言葉にするのが大事」(吉田紫磨子さん)
産後うつで苦しむ人を早期に発見できるよう日本産科婦人科学会では、診療ガイドラインの見直しを進めています。
TBS系(JNN) 4月25日(月)20時30分配信