ローザンヌバレエ決勝、中村さん6位入賞 スイスからも15年振りに入賞者
2016-02-06 21:44
ローザンヌ国際バレエコンクール2016の決勝で6日、アクリ・堀本バレエアカデミーの中村淳之介さん(16)が6位に入賞した。またスイスのラウラ・フェルナンデスさんも5位に入賞。スイスが入賞者を出すのは、2001年以来だ。1位入賞は中国の于航(ユー・ハン)さんだった。
受賞直後、中村さんは「信じられません。支えてくれた先生や家族にお礼を言いたい気持ちでいっぱいです」と、まだ驚きを隠せない様子で話した。
「将来、どこの学校に行きたいか決めていません。でも、誰が見てもすごいと思われるようなダンサーになりたいです」と続けた。
アクリ・堀本バレエアカデミーの堀本美和先生も、「入賞すると思っていなかったので、今はとにかくうれしいです !」と話した。同アカデミーは、13年連続でローザンヌバレエに生徒を送り出している。入賞者も多く出しており、今日クラシックで中村さんが着ていた服は、2011年の入賞者、加藤静流 (しずる)さんが着たものだという。
また、審査員の1人でモナコ王立グレース・バレエ学校長のルカ・マサラさんは、中村さんを「まだ少し若いけれど、たくさんの可能性を秘めている。身体的にもこのまま成長すればよいダンサーになれる。ローザンヌの期間中、とてもまじめな取り組みぶりで、毎日伸びていった」と高く評価した。
中村さん自身も、「コンテンポラリーでも、昨日より今日のほうが良く踊れた。昨日の舞台で慣れたお陰。こうして毎日たくさんのことを吸収しました」と語った。
ゴヨ・モンテロさんのコンテンポラリー
コンテンポラリーに関しては、今日もゴヨ・モンテロさんは、自分の作品を踊った岡野祐女(ゆめ)さんと金世友さんを、「すごい表現力だ。才能がある」と高く評価した。
また、3位入賞でコンテンポラリー賞も獲得したイタリアのヴィンチェンツォ・ディ・プリモさんのコンテンポラリーを高く評価。2位で入賞したアメリカのマディソン・ヤングさんを特別な個性を持っているダンサーだと語った。
快挙のラウラ・フェルナンデスさん
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昨年もローザンヌに参加したフェルナンデスさん。決勝進出者20人の中に選ばれなかった瞬間、大粒の涙を流したのが印象的だった。その彼女が今年は入賞を果たした
(撮影 / 小川峻毅)
一方、スイスのラウラ・フェルナンデスさんが、見事に5位に入賞を果たした。コンクールの主催国であるスイスが入賞者を出すのは、2001年以来だ。
クラシックも優雅に踊り、コンテンポラリーでも内に秘める暴力性を怖いまでに表現したフェルナンデスさんは、コンテンポラリー賞、ベストスイス賞、そして5位入賞と三つの賞を手にした。「突然、一度にこんな風に三つの賞を手に持ってローザンヌからチューリヒに戻るとは思いもしなかった」と微笑んだ。
クラシックも大好きだが、表現をするのはコンテンポラリーのほうが得意。とにかく、どこかのカンパニーで働きたいと話した。
甲乙つけがたい
なお、今年のコンクールを総括して、審査委員長のウルグアイ国立バレエの芸術監督を務めるフリオ・ボッカさんは、「世界から、こんなにもレベルが高いダンサーが集まり感動した。そのため甲乙つけがたかった」と話した。
また、今回初めてローザンヌバレエコンクールの審査を経験したボッカさんは、「ハイレベルの専門家に新しい動きを習い、持ってきたバリエーションをコーチしてもらえるようなコンクールは世界でもここだけだ。そのことのありがたさを、若いダンサーにもっと知って欲しい」とくくった。
7人の入賞者1位 于航(ユー・ハン、16、中国)、2位 マディソン・ヤング(17、米国)、3位 ヴィンチェンツォ・ディ・プリモ(18、イタリア)、4位 リロイ・モクゲイトル(16、南アフリカ)、5位 ラウラ・フェルナンデス(18、スイス)、6位 中村淳之介(16)、7位 白鼎恺(バイ・ディンカイ、16、中国)