辺野古埋め立て、取り消しへ=沖縄知事、来週表明
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、沖縄県の翁長雄志知事は10日、移設先の名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消す方針を固めた。来週中に正式表明する。政府は一時中断している移設作業を来週にも再開させる方向。政府と沖縄県の対立が法廷闘争に発展する可能性が一段と高まった。
県関係者によると、翁長氏は10日午前、県議会与党の議員らに取り消し方針を伝え、「移設阻止に政治生命を懸けている」と強調した。
翁長氏は国連人権理事会で基地問題を訴えるため、19日に沖縄をたつ予定。それまでに防衛省沖縄防衛局側の主張を確認する「聴聞」手続きに入りたい考えだ。
聴聞には数週間かかるとみられ、実際に取り消しを行うのは10月以降となる見通しだ。一方、政府は知事の取り消しに対し、行政不服審査法に基づく不服申し立てなど対抗措置を取る構えで、双方とも法廷闘争を視野に入れている。
2013年末の仲井真弘多前知事による承認に関し、当時の審査過程を検証した県の第三者委員会は7月、「法的瑕疵(かし)が認められる」と報告。翁長氏の決断はこれに基づくが、政府は「瑕疵はない」(菅義偉官房長官)と反論している。
(2015/09/10-16:23)