有毒液を山口組から回収か 工場液体漏れ事故 総本部を捜索 兵庫県警

神戸・六甲アイランドの廃棄物処理工場で今月3日、ポリタンクから液体が漏れて白煙が発生し、煙を吸った13人が軽傷を負った事故で、ポリタンクは神戸市内の運搬業者が指定暴力団山口組総本部(同市灘区)から回収して持ち込んだとみられることが25日、捜査関係者への取材で分かった

 捜査関係者によると、液体は同処理工場での処分が認められていない毒物「フッ化水素酸」だったとみられる。兵庫県警は運搬業者が違法に運び込んだ疑いがあるとみて、廃棄物処理法違反容疑で捜査しており、同日午後、関係先として総本部の捜索を始めた。

 フッ化水素酸は毒劇物法指定の毒物。強い腐食性があり、ガラスのつや消しなど工業用として利用されている。常温で気化し、その気体を吸うと呼吸困難などを引き起こす危険性がある。

 捜査関係者によると、ポリタンクにはフッ化水素酸が入っていたことを示すラベルが貼られており、密閉状態のポリタンクから漏れ出たことで気化が進んだとみられる。県警は、運搬業者が総本部から回収した経緯などを詳しく調べる。

 事故は3日午後3時ごろに発生。廃棄物の仕分け作業中にポリタンクが割れたとみられ、同処理工場の従業員13人が目やのどの痛みを訴えて病院で手当を受けた。

神戸新聞NEXT  8月25日(火)