■川崎工場火災:解体作業中に引火 600人が一時避難
川崎市川崎区浮島町1の鋼管メーカー「日鉄住金鋼管」川崎製造所で24日午前に発生した火災は、床面積約1万平方メートルの倉庫1棟を全焼し約5時間半後に消し止められた。近くで作業員が使っていたガスバーナーの火花が、周辺に付着していた油などに引火したのが原因とみられる。けが人はなかった。同社は「有害物質の外部流出はない」としている。
市消防局などによると、日鉄住金鋼管の委託を受けた作業員5人が、倉庫近くにある屋外冷却槽をガスバーナーで溶かし解体する作業をしていた。
同製造所に隣接する日用品大手「花王」川崎工場の外壁に取り付けられたパイプダクトにも延焼し、工場にいた社員ら約600人が屋外に一時避難した。
日鉄住金鋼管川崎製造所は自動車や建材用の鋼管を月間4000トンほど製造していた。鹿島製造所(茨城県鹿嶋市)に生産拠点を集約することになり、6月2日に操業を休止、11月末に完全閉鎖する予定だったという。屋外冷却槽の解体も閉鎖に向けた作業だった。
同社の中西廉平社長は24日、川崎市役所で記者会見し「周辺の住民や企業などにご迷惑をおかけし、心よりおわびする。二度とこのようなことが起きないように対策を打ちたい」と陳謝した。出火当時、製造所の近くでサイクリングをしていた男性会社員(48)は「火柱が上がって黒煙が押し寄せ、目の前が真っ暗になった」と話した。
■中国:化学工場でまた大規模火災 河南省
中国メディアによると、河南省鄭州市の化学工場で24日、大規模な火災があった。また江蘇省蘇州市の化学工場でも23日に大規模な火災が発生した。いずれも負傷者が出たとの情報はない。
中国では12日に天津市で約130人が死亡する大規模爆発が発生し、習近平指導部が全国の生産現場での安全管理徹底を指示したばかり。しかし山東省の化学工場では22日に1人が死亡し9人が負傷する大規模爆発が起きており、指示は掛け声倒れに終わっている。
報道によると、鄭州市の火災では大量の化学物質が燃え、周囲では一時異様なにおいが充満した。(共同)
2015年08月25日毎日新聞より