河野克俊統合幕僚長を証人喚問せよ!  | 今 言論・表現の自由があぶない! プロジェクトピース9 日本国憲法9条を守りぬき9条を世界の憲法にして地球の平和を築くプロジェクト
    2015年8月19日 10時~ 約6時間52分
     参議院:我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会

     
    2015年8月20日(木)付 <朝日新聞社説>自衛隊の資料―国民に伏せられた事実   

     新たな安全保障関連法案を審議する参院の特別委員会が、きのう再開した。

     冒頭から問題になったのは、法案成立を先取りして自衛隊が作成していた内部資料である。今月11日の特別委で共産党の小池晃氏が暴露したのを受けて、審議が中断していた。

     この資料には、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)と安保法案に伴う、対米支援の具体的な内容が含まれている。

     それぞれ十分な議論が必要な内容なのに、国会にも国民にも伏せられてきた。政権の国会軽視、国民軽視の姿勢が改めてあらわになったと言える。

    新たな安全保障関連法案を審議する参院の特別委員会が、きのう再開した。
     冒頭から問題になったのは、法案成立を先取りして自衛隊が作成していた内部資料である。今月11日の特別委で共産党の小池晃氏が暴露したのを受けて、審議が中断していた。
     この資料には、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)と安保法案に伴う、対米支援の具体的な内容が含まれている。

     それぞれ十分な議論が必要な内容なのに、国会にも国民にも伏せられてきた。政権の国会軽視、国民軽視の姿勢が改めてあらわになったと言える。
     資料が明確に示すのは、日米の軍事的な「一体化」がいっそう進む方向性である。

     ▼平時から利用可能な常設の同盟調整メカニズム(ACM)の中に「軍軍間の調整所」を設置。要員派遣の検討が必要
     ▼南シナ海での情報収集、警戒監視と偵察などの関与のあり方について、今後、ワーキンググループなどを活用して検討

     自衛隊と米軍が日常的に緊密な連携をとり、日米共同計画を策定し、共同訓練を重ねることで、抑止力を高める――。そんな将来像が浮かぶ。

     だが、そこで日本のシビリアンコントロール(文民統制)は確保されるのか。不測の事態の際、米軍の現場レベルの軍事的な判断に引っ張られないか。次々と疑問がわいてくる。
     政府が国会であいまいな答弁をしてきた南シナ海での対米協力についても「検討する」と明記しているが、日本がどこまで踏み込むのかは難しい問題だ。日本海や東シナ海の警戒が手薄にならないか。防衛費が拡大することはないか。

     安倍首相は今春の米議会演説で、法案を「この夏までに成就させる」と公約した。水面下では、国会で説明できない対米支援の方向性まで約束していたということなのか。
     国連平和維持活動(PKO)をめぐっても、派遣中の南スーダンでの活動拡大が検討スケジュールに盛り込まれていた。離れた場所で襲撃された他国部隊などを武器を使って助ける「駆けつけ警護」の任務への追加を想定しており、まさに法案成立を先取りした計画だ。

     資料は5月に作られたという。衆院の審議入りの日に、自衛隊幹部のテレビ会議で使われていた。その後も重大な事実が隠され、判断材料を欠いたまま、衆院は法案を通過させたことになる。
     事実が伏せられた審議で、法案を成立させてはならない。



     安保関連法案:参院特別委 19日

     防衛相が自衛隊内部資料でいいわけと強弁

     安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は19日午前10時から、日本共産党小池晃参議院議員の質疑から審議を再開した。11日、内部資料を巡って紛糾し、そのまま散会して以来。

     資料を公表した共産党の小池晃氏は、「自衛隊をどう動かすかを事前に検討している。国会軽視だ」と追及した。中谷氏が11日の特別委で「審議中に法案の内容を先取りすることは控えなければならない」と答弁した事をふまえ、「これを先取りと言わずに何と言うのか」と批判した。

     中谷元(げん)防衛相は、関連法案の成立を前提とした同省統合幕僚監部の内部資料について、5月下旬に作成したと認めた上で「法案成立後に行うべき運用要領の策定や訓練の実施などは含まれておらず、文民統制上も問題はない」と強弁した。菅義偉官房長官も答弁に立ち、さらに記者会見も行い「(内部資料は)防衛相の指示を踏まえ、法案の内容を説明し、検討課題を整理するため作成したものだ」と、問題はないと強弁した。さらに、資料について、「検討課題を整理するもので、当然の分析、研究を行った」とし、「8月成立」を前提とした記述に関しても「作業日程のイメージ化のためで、国会審議や成立時期を予断しているわけではない」と弁明した。

     防衛省は、資料が使われたのは5月26日に統合幕僚監部が開いたテレビ会議で、陸海空の司令官ら約350人が参加したと説明した。中谷氏は『秘密』は含まれていないにもかかわらず、対外公表を前提としておらず、外部に流出したことは極めて遺憾だと情報保全を強化すると強弁した。


     小池議員は、午前10時、午後3時15分から30分間再質問を行った。

    ■2015年8月20日(木) しんぶん赤旗

    「軍軍間調整所」 日米共同作戦 
    防衛相 存在認める「問題ない」通用せず 
    統幕内部文書で小池氏追及

     参院安保法制特別委員会は19日、戦争法案の成立を前提に詳細な部隊運用計画を記載していた自衛隊統合幕僚監部の内部文書が国会提出された後、最初の審議を行いました。中谷元・防衛相は冒頭、「文書は私が指示した範囲内」であり、「内容に問題はない」と強弁しました。

     11日に内部文書を暴露した日本共産党の小池晃議員は、「問題がない」どころか、国会や国民にも知らされていない重大な内容が含まれていると指摘。4月27日に合意された新たな日米軍事協力の指針(ガイドライン)で常設するとした「同盟調整メカニズム」内に、「軍軍間の調整所が設置される」と明記されていることをただしました。

     中谷氏は、「(軍軍間の調整所は)すでに存在している」と述べ、すでに設置されていることを初めて明らかにしました。さらに「軍軍間」とは「自衛隊と米軍だ」と答え、自衛隊を「軍」と記していることを認めました。

     小池氏は、「自衛隊を『軍』とする文書を、大臣が内容を問題ないというのは大問題だ」と強調。「軍軍間の調整所」はガイドラインにも法案にも書かれておらず、国会答弁でも言及していないことを指摘し、「軍を自認するにいたった自衛隊のもと、国会にも明らかにしないまま、どんどん進んでいるのは極めて重大な事態だ」と批判しました。

     小池氏はさらに、これまで政府が存在を認めてこなかった日米共同作戦計画について、同文書が「対外的には明示されていませんでした」と述べていることをあげ、「実際にはすでに存在していたことだ」と追及。中谷氏は「(共同計画は)日米の検討で精緻(せいち)化された結果、保持されるにいたった」と述べ、共同計画の存在も初めて認めました。

     さらに小池氏は、内部文書が、他国の領土問題への介入につながりかねない、南シナ海での「情報収集、警戒監視及び偵察」(ISR)について「検討」と書き込んでいることを明らかにしました。

     小池氏は、内部文書に示されている一連の検討事項について、「こんなことは、一度もまともに説明してこなかった。これでは国会審議は通過儀礼にされてしまう。与野党を問わず、党派を超えて怒らなければならない」と呼びかけました。その上で、「中谷大臣、安倍晋三首相の責任は重大だ」と述べた上で、河野克俊統合幕僚長の証人喚問を求めました


    ■毎日新聞 2015年08月19日 22時50分(最終更新 08月20日 03時24分)

    防衛相:「流出経緯を調査」 安保法案成立前提の資料

    http://img.mainichi.jp/mainichi.jp/select/images/20150820k0000m010151000p_size7.jpg   
    参院平和安全法制特別委員会で共産・小池晃氏の指摘に対し、自席から反論する中谷元防衛相=国会内で2015年8月19日午後3時28分、藤井太郎撮影
            
     安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は19日、一般質疑を行った。中谷元(げん)防衛相は自衛官中心の防衛省統合幕僚監部(統幕)が法案成立を前提として作成した内部資料の存在と外部への流出を認め、「流出の経緯などを鋭意調査している。強い危機感を持ち、情報保全の徹底を図りたい」と釈明した。
     防衛省側は資料について、統幕が自衛隊の幹部に法案の内容を説明するため5月下旬に作成し、主要部隊の指揮官ら約350人が参加した5月26日のテレビ会議で使用したと説明した。
     中谷氏は「法案の内容を分析・研究したもので、成立後に行うべき内容は含まれていない」として、作成したこと自体に問題はないとした。一方で外部への流出については「極めて遺憾だ」と述べた。
     これに対し、共産党の小池晃氏は11日の特別委で資料を示した際、中谷氏が「国会審議中に法案の内容を先取りすることは控えるべきだ」と述べたことなどを挙げて反発。民主党の大野元裕氏も国会会期の延長決定前に資料が作成されたことに触れ、「統幕が国会延長を予期したものをつくり、防衛相も(内容を)確認していなかった」と批判した。【青木純】



    ■2015年8月19日 東京新聞 朝刊

     活動拡大へ性急な自衛隊 安保法案成立前に運用準備

      防衛省は十八日、安全保障関連法案の成立を前提に、自衛隊が新たな部隊運用について資料を作成していたことを認め、同法案に関する参院特別委員会の理事懇談会に資料を提出した。南シナ海での警戒監視活動への関与を検討するとしたほか、南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に当たっている自衛隊の業務に、離れた場所で襲撃された他国部隊などを武器を使って助ける「駆け付け警護」を追加する可能性に言及している。 

     資料は共産党が独自に入手し、十一日の特別委で事実確認を求めていた。防衛省は十八日の理事懇で、陸海空自衛隊を統合運用する統合幕僚監部(統幕)が、法案の内容を部隊に理解させるために作成したと説明。「成立を先取りしたものではない」と強調した。

     同省によると、資料は中谷元・防衛相の指示で五月に作成。法案が最速で八月に成立すると想定し、日米防衛協力の指針(ガイドライン)と安保法案に沿って検討すべき項目を列挙した。
     平時の自衛隊と米軍の協力事項として情報収集や警戒監視を挙げ、南シナ海での活動に言及。安保法案に盛り込まれた「任務遂行のための武器使用」を行うケースとして、PKOでの駆け付け警護や、海外での邦人救出を挙げている。

     特別委は十九日、中谷氏らが出席して一般質疑を行う。野党側は、資料作成はシビリアンコントロール(文民統制)に反するとして追及する方針。
     理事懇では、二十一日に安倍晋三首相が出席して集中審議を行うことでも合意した。

    ◆対米協力 南シナ海でも検討

     防衛省が十八日の参院特別委員会理事懇談会に提出した内部資料からは、安全保障関連法案を成立させた後、平時から有事まで幅広く対米協力を拡大させることを政府が検討している実態が、あらためて浮かび上がった。

     資料は、四月に再改定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)と安保法案に基づく対米協力で、(1)平時(2)他国での紛争が日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(3)日本が武力攻撃を受けた事態(4)他国から攻撃された米軍を、自衛隊が集団的自衛権を行使して守る存立危機事態-の各ケースに関して自衛隊内部で検討が必要となる事項を並べた。
     このうち、具体的な検討項目として際立つのが、南シナ海での平時の警戒監視活動だ。警戒監視は現行法でも可能とされるが、日本から遠く離れた南シナ海での活動には、海洋進出を進める中国が反発する可能性が高い。中谷元・防衛相はこれまでの国会審議で可能性を否定はしていないが、あいまいな説明にとどめてきた。

     しかし、内部資料は「今後、ワーキンググループなどを活用し、関与のあり方について検討する」と具体的に検討を進める方針を明記した。中国による南シナ海での環礁埋め立てや滑走路建設を警戒する米軍が、安保法案の成立を契機として自衛隊の活動拡大に期待していることが背景にある。
     ただ、自衛隊の護衛艦や哨戒機を南シナ海に派遣すれば、中国を刺激するだけでなく、日本防衛に必要な日本海や東シナ海での警戒が手薄になりかねない。哨戒機の航続距離の限界など問題も多く、防衛予算拡大や装備増強につながる可能性もある。

     資料は対米協力以外でも、派遣中の南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)で、駆け付け警護を任務に追加することを想定。海外での邦人救出をめぐっても、大使館占拠やハイジャックなど具体的なケースを挙げた。
     いずれも自衛隊の武器使用権限を拡大しなければ実施できない危険な任務。検討の性急さが目立っている。