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時事通信 7月10日(金)

いじめアンケートも報告されず=校長、情報共有できず―岩手中2死亡

 岩手県矢巾町で町立中学2年の男子生徒(13)が列車にひかれて死亡し、担任とやりとりするノートにいじめを受けていた旨の記述があった問題で、学校は男子生徒が死亡する以前の6月に全校生徒にいじめに関するアンケートを実施していたものの、集計しておらず、校長が内容について報告を受けていなかったことが10日、学校関係者への取材で分かった。

  関係者によると、同校では全生徒対象の「こころのアンケート」を年3回実施することになっている。アンケートはいじめ調査を目的とし、「悩みはありますか」などの設問に「ある」「ない」などで回答。「ある」の場合はさらに具体的な内容について記述を求める形式だった。

  男子生徒が担任とやりとりしていたノートには、特定の生徒の名を挙げ「殴られた」などといじめを示唆する内容や、「死にたい」と自殺をほのめかす記述があったが、校長は担任から報告を受けていなかったと説明アンケートも集計されておらず、アンケートに基づく面談も実施されていなかった。このため、この内容も校長に報告されていなかったという

  校長は7日の記者会見で、アンケートは今年度は行事の関係で実施していなかったと説明したが、9日の取材に「事実誤認だった。6月に実施していた」と訂正した

  一方、町は男子生徒に対するいじめの有無や死亡との関係などを調べるための第三者委員会を近く設置する方針を決めた。事実関係を調査した上で、再発防止策をまとめる。委員は弁護士や臨床心理士、学識経験者などから人選する。