時事通信 6 月10日(水)
会員情報、最大1万2000件流出=PCウイルス感染、警視庁捜査―東商
東京商工会議所(会頭・三村明夫新日鉄住金相談役)は10日、会員企業などの個人情報が流出した可能性があると発表した。事務局職員が使用しているパソコンがメールを介して、ウイルスに感染したことが同日までに判明し、警視庁に相談した。警視庁は不正指令電磁的記録供用の疑いなどを視野に捜査する方針。流出規模は、最大で延べ1万2139件に上る可能性がある。
東商によると、ウイルス感染は国際部の業務用ノート型パソコンに業務などを装った「標的型メール」が送られ、発生したという。専門の監視機関から5月11日に不審情報の連絡があり、調査を進め、同22日に感染が判明した。
流出した可能性があるのは、国際部のファイル共有サーバーに保管されていた過去3年間のセミナー参加者の名簿などで、名前、電話番号、メールアドレス、社名など。同部で管理していた会員企業社員や一般参加者の名刺に基づく個人情報が中心で、銀行・証券口座など金銭関連の情報は含まれていないと説明している。
個人情報へのアクセスは国際部職員に限られていたため、パスワードは設定していなかった。現時点で被害の報告は入っておらず、感染したパソコンは1台だけという。
東商の高野秀夫常務理事は10日午前、東京都内で記者会見し、「多くの方々にご迷惑とご心配をお掛けしたことを深くおわびする」と謝罪。また「対策本部を設置し、職員一丸となって再発防止策の取り組みを始めた」と述べた。
東商の会員数は、4月1日時点で7万7060件。東商は情報が流出した人への連絡を始めた。