▼ マスコミ報道と全く違う
~原発事故の被害地巡るフィールドワーク (週刊新社会)
~原発事故の被害地巡るフィールドワーク (週刊新社会)
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飯舘村では空間線量は1.38μSu/hあった
飯舘村では空間線量は1.38μSu/hあった
3月15日、「2015原発のない福島を!県民大集会」のオプショナルツアーとして原発被害地をめぐるフィールドワークが行われ、全国から40名が参加した。主催したのは福島県教職員組合。
福島県教組は、これまで適宜原発被害を実際に見るフィールドワークを実施してきた。今回は、飯舘村から3月に全面開通した常磐道に入り、浪江町、南相馬市と原発被害地、津波被害地を巡るフィールドワークだった。
▼ 不安の中で生活するのが現実
飯舘村を通ると、いたるところで除染作業の状況が見られた。飯舘村の村民は、6000人。村民は強制避難させられ、代わりに7000人の除染作業員が連日働く毎日だ。飯舘中学校では、除染しているはずなのにモニタリングポストの数値は1・38マイクロシーベルト/時を示していた。
南相馬インターチェンジから常磐道に入る。常磐道は3月1日全線が開通し、帰還困難区域をだれもが通過できるようになった。
浪江インターチェンジでは、線量が高いため通過チエックの作業員が表に出ず、カメラで免許証の碓認を行っていた。
浪江町の昼間は入れる居住制限区域を歩く。日曜日なのに、ほとんど人通りがない。
「マスコミで報道されている復興の状況と、現実は全く違う」と柴口正武さん(福島県教組副委員長)は声を荒げた。
フィールドワークには、震災後4年もたつのに初めての参加者も目立った。なかには、若い参加者もいる。
前日の県民大集会のオプショナルツアーとしての実施ということもあるがバス1台が満席の盛況で、関心は薄れていないと感じた。
しかし、主催者の日野彰さん(福島県教組原発災害対策担当)は、「若い人にはぜひ来てほしいとは言えません。どこまでが安全かがわからない中で生活しているというのが福島の現実です。そのことをぜひ伝えてほしいです」と語った。
(湯本雅典取材:3月15日)
『週刊新社会』(2015/4/21)
パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2