毎日新聞 3月27日(金)13時54分配信
<1票の格差>高裁宮崎支部も「違憲状態」、無効請求退ける
「1票の格差」が最大2.13倍だった昨年12月の衆院選は法の下の平等を定めた憲法に反するとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟で、福岡高裁宮崎支部(佐藤明裁判長)は27日、小選挙区の区割りを「違憲状態」とする判決を言い渡した。宮崎、鹿児島両県全8選挙区の選挙無効の請求は退けた。
昨年の衆院選に対し二つの弁護士グループが起こした訴訟17件のうち、27日までに計14件の判決が出され、違憲1件、違憲状態9件、合憲4件となった。
衆院選の1票の格差訴訟では、2009年選挙(最大格差2.30倍)と12年選挙(同2.43倍)に対し、それぞれ11年と13年に最高裁が「違憲状態」と判断。国会は12年の法改正で、各都道府県にまず一つずつ議席を配分する「1人別枠方式」の規定を削除し、選挙区定数も「0増5減」した。原告側は最高裁が違憲状態と判断した後も、1人別枠方式を実質維持したまま衆院選を実施したなどと主張していた。
今月25日の福岡高裁判決は、国会の取り組みでも構造的問題が解消されておらず「是正のための合理的期間も過ぎている」として違憲判決を出した。一方、選挙無効の請求は混乱が生じるなどとして棄却していた。
総務省によると、昨年12月の衆院選で議員1人あたりの有権者数が全国最少だった宮城5区を1とすると、宮崎1区は1.51倍、鹿児島1区が1.45倍だった。【尾形有菜】
昨年の衆院選に対し二つの弁護士グループが起こした訴訟17件のうち、27日までに計14件の判決が出され、違憲1件、違憲状態9件、合憲4件となった。
衆院選の1票の格差訴訟では、2009年選挙(最大格差2.30倍)と12年選挙(同2.43倍)に対し、それぞれ11年と13年に最高裁が「違憲状態」と判断。国会は12年の法改正で、各都道府県にまず一つずつ議席を配分する「1人別枠方式」の規定を削除し、選挙区定数も「0増5減」した。原告側は最高裁が違憲状態と判断した後も、1人別枠方式を実質維持したまま衆院選を実施したなどと主張していた。
今月25日の福岡高裁判決は、国会の取り組みでも構造的問題が解消されておらず「是正のための合理的期間も過ぎている」として違憲判決を出した。一方、選挙無効の請求は混乱が生じるなどとして棄却していた。
総務省によると、昨年12月の衆院選で議員1人あたりの有権者数が全国最少だった宮城5区を1とすると、宮崎1区は1.51倍、鹿児島1区が1.45倍だった。【尾形有菜】