時事通信 3月24日(火)10時22分配信
諫早制裁金、倍増決定=開門求め漁業者請求―佐賀地裁
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門をめぐり、佐賀地裁が国に命じた制裁金では開門を促すには不十分だとして、佐賀、長崎両県の漁業者ら45人が増額を求めた申し立てについて、佐賀地裁(波多江真史裁判長)は24日、漁業者1人当たり1日1万円の制裁金を、2万円に増額する決定を出した。国は福岡高裁に抗告し、強制執行の停止を申し立てた。
波多江裁判長は、開門しない場合に漁業者が受ける損害などを考慮すると、1日1万円は「不相当と言わざるを得ない」と判断した。
国は地元の反対などで開門できないと主張したが、「防災上やむを得ない場合を除き開放するだけなので、国の意思のみでできる」と退けた。
佐賀地裁は昨年4月、開門を命じた福岡高裁判決を履行しなかったとして、漁業者1人当たり1日1万円の支払いを国に課す「間接強制」を命令。国はその後も開門しなかったため、漁業者側は同12月、1日当たり総額1億円に増額するよう申し立てていた。