琉球新報【電子号外】2015年3月23日 

辺野古作業停止を指示 翁長知事 30日までの実行要求

翁長雄志知事は23日午後、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、沖縄防衛局が海底に設置したコンクリートブロックがサンゴ礁を傷つけている問題を受け、防衛局に対し、ボーリング調査などの海上作業を30日までに停止するよう指示したと発表した。

23日付で防衛局に文書を提出し、作業停止について報告するよう求めた。

指示に従わない場合は、辺野古埋め立てに関する岩礁破砕許可を取り消すことがあるとしている。移設阻止を掲げている翁長知事が政府の作業停止に向けた権限を行使した形となる。

 翁長知事は県が岩礁破砕を許可した区域外でサンゴ損傷があった可能性が高いとして「県の調査が終了し、あらためて指示するまでの間、当該工事に係る海底面の現状を変更する行為の全てを停止すること」と求めた

  さらに現場海域の潜水調査のため米軍に臨時制限区域内への立ち入りを求めていることを挙げ、政府側に米軍との再調整を重ねて要求立ち入り調査が実現していないことに関し「調査さえできないことは不合理極まりない」と批判した。

  県は前知事時代の昨年8月、防衛局からの岩礁破砕申請を許可したが、ことし2月に許可区域外で大型ブロックによるサンゴ礁の損傷が発覚していた

  県によると、岩礁破砕許可が取り消されれば、防衛局は海底ボーリング調査などができなくなるだが政府はこれに従わず、作業を継続する構えを見せている。菅義偉官房長官は23日午前の記者会見で「粛々と作業を進めていく」と強調した



  沖縄タイムス  2015年3月23日(月)15:11

翁長知事、防衛局に工事停止求める 岩礁破砕で


 沖縄県の翁長雄志知事は23日午後2時半から県庁で記者会見を開き、昨年8月に沖縄防衛局に許可した「岩礁破砕」について、防衛局が県の許可区域外の岩礁を破壊した可能性が高いとして、工事の停止を求めた。県が海底調査を実施し、改めて防衛局に指示するまでの間、許可区域内も含めて、工事を含めた全ての行為の停止を求めている。県の指示に従わない場合について、知事は「腹は決めている」と岩礁破砕の許可も取り消すことも示唆した。【沖縄タイムス+プラス】    



  時事通信 3月23日(月)14時55分配信  

辺野古移設の停止指示=期限1週間、許可取り消しも―沖縄知事

 沖縄県の翁長雄志知事は23日午後、防衛省沖縄防衛局に対し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた海底ボーリング調査など、全ての海上作業を30日までに停止するよう文書で指示した。知事はこの後、県庁で記者会見し、政府側が応じなければ「岩礁破砕許可を取り消すこともある」と述べ、強硬手段も辞さない姿勢を示した。

  これに対し、政府は安倍晋三首相が4月下旬に予定する訪米をにらみ、移設作業を続行する構え。県と政府側の対立は先鋭化が避けられず、普天間飛行場移設問題は重要な局面を迎えた。

  会見で知事は、防衛局が1月、辺野古沖の岩礁破砕許可区域外に大型コンクリート・ブロックを設置したことについて、「許可を得ずに岩礁破砕行為がなされた蓋然(がいぜん)性が高い」と指摘。サンゴ礁が損傷した可能性があることから、県の調査が必要だとして、1週間以内に全ての海上作業を停止するよう指示したと説明した。

  また、政府側が指示に従わなかった場合の破砕許可取り消しに関し、知事は「腹は決めている」と語り、厳しい態度で臨む意向を示した。