国際障害者デー(12月3日)に寄せる
潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
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今年の「国際障害者デー」は「sustainable development: the promise of technology(持続可能な開発にテクノロジーの活用を) 」というテーマに焦点を当てています。
 
テクノロジーは、知識を手の届く所にまで近づけ、 機会の範囲を拡大することで、世界を一変させました。 障害者はテクノロジーの進歩から多くの恩恵を得ることができます が、あまりにも多くの人々が、 こうした必須のツールを利用できないでいます。
 
国際社会が、“誰も置き去りにしない”という野心的で意欲的な、 ポスト2015年開発アジェンダの策定に取り組む中で、 私たちは、 テクノロジーの力をすべての人のための開発に活用していかなけれ ばなりません。
 
障害者は適応性、支援性、 包摂性を兼ね備えたテクノロジーを用いることにより、 コミュニティでも職場でも、 その潜在能力をいかんなく発揮することができます。 雇用主はテクノロジーを活用し、障害者が生産的な雇用を見つけ、 そのスキルと能力を十分に発揮できる環境を整備することができま す。
 
自然災害の際も、 テクノロジーは不可欠な情報を確実に伝えることにより、 障害を持つ被災者を支援できます。同様に、 防災や災害対応においても、 障害者が抱える特殊なニーズに配慮するという点で、 テクノロジーは私たちを助ける重要な役割を果たすことができます 。
 
政策やプログラム、ガイドライン、 そして21世紀のテクノロジーが確実に障害者の手に届き、かつ、 その観点や経験に配慮するものとなるよう、 全力を尽くそうではありませんか。誰にとっても包摂的で公平、 持続可能なよりよい未来を実現できるよう、 ともに努めようではありませんか。