毎日新聞 2014年03月25日 
DHC会長:「みんな・渡辺代表に8億円」 収支報告なく
 
 みんなの党の渡辺喜美代表が2010年の参院選と12年の衆院選の前に、大手化粧品販売会社の会長から「計8億円を借り入れていた」と26日発売の週刊新潮が報じることが分かった。党幹部は「個人的な借り入れで、金利も払っている」などとしているが、借り入れた資金について収支を報告しておらず政治活動や選挙活動に使われた場合は政治資金規正法や公職選挙法に抵触する可能性もある
 
 週刊新潮には、化粧品やサプリメントを販売する「ディーエイチシー(DHC)」(東京都港区)の吉田嘉明会長(73)が手記を寄せた。それによると、吉田氏は参院選前月の10年6月に3億円、衆院選前月の12年11月には5億円を渡辺代表の個人口座に振り込んだとしている。その後約2億4700万円が返済され、今も5億円超の借り入れがあるという。一方、12年12月の衆院選で当選した議員を対象とする資産公開で、渡辺氏は借入金を2億5000万円と記載。手記と食い違う。
 
 DHCは毎日新聞の取材に「会長と渡辺氏の個人的なことで、会社としてコメントできない」とし、吉田氏も関係者を通じて「今日(25日)はお答えできない」としている。
 
 一方、渡辺氏の事務所は「記事を見ていない段階では対応できない」としている。関係者によると渡辺氏は26日にもコメントを出す予定という。
 政治資金収支報告書によると、渡辺氏が代表を務める「みんなの党栃木県支部」は、吉田会長から10〜12年に計6000万円の献金を受けた。渡辺氏の資金管理団体なども09〜11年に吉田会長から献金やパーティー券購入で計600万円の提供を受けた。【青島顕、本多健、一條優太】